【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#11】「四次元食堂」

東京・西早稲田に「四次元食堂」という個性的な店名の小さなお店があります。南インド料理を中心に、世界各国の料理を食べることができるお店です。

開店当初から何度か通っているのですが、行く度においしさと面白さのレベルが確実に上がっているなと感じます。

マスターの経歴も興味深く、26歳で料理人を志しイタリアへ行き、トスカーナ州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州で2年修行。帰国後は都内スイス料理店でシェフを務め、ご自身のイタリアンバーを開いた後に南インド料理の名店「エリックサウス」でさらなる修行を積み、そして西早稲田の地で四次元食堂を開店したという方なのです。

看板メニューは南インドのミールスを日本の定食的に組み立てたミールス各種。メインのカレーを選べるスタイルであり、ご飯は日本米とバスマティライスのあいがけならぬあいもり。大阪的に言うなら「あい飯」です。

それぞれのご飯をそれぞれのカレーと一緒に食べると、ご飯の感じ方やカレーの感じ方が変わってくるのが面白く、食事を立体的、つまり三次元的に楽しめる以上に、四次元的に楽しめるのです。

「キッシュ&カレープレート」

さらには南インド料理と通常合わせない料理を組み合わせることも可能。今回いただいた「キッシュ&カレープレート」1,200円がまさにそれ。

マスター曰く「このメニューは『よもだそば』さんにインスパイアされて作ったんですよね。よもだそばで食べたインドカレー&たぬきそばを四次元的に変換してキッシュ&インドカレーにしたのです」と。

よもだそばと言えば最近は店舗数も増やしているインド風カレーがおいしい立ち食いそばのチェーン店。

それがどうしてキッシュとカレーになるのか。確かに使っている材料で考えればキッシュとたぬきそばの天かすに同じ部分はあるのですが、天かすからキッシュに変換させてしまうその発想がまさに四次元的であり、お店の面白さを象徴しています。

選べるカレーは激辛アンドラチキンとブリと大根のコランブカレーにしました。

写真左から「激辛アンドラチキン」と「ブリと大根のコランブカレー」

どちらも南インド料理をベースにしていますが、ブリと大根を合わせるのは実に日本的。それに西洋料理のキッシュが加わってくる楽しさ。それぞれ単体でおいしいのはもちろん、意外にも相性が良いのです。

数量限定「チキンビリヤニ」

また、数量限定のビリヤニもおすすめ。「チキンビリヤニ」1,100円も選べるカレーをひとつ付けることができます。赤ワイン風味ビーフキーマを合わせてみたのですが、このキーマは赤ワインを使っているということもあって洋食的な仕上がりになっています。

ビリヤニはスパイスの香りも良くフワっと軽やかに炊き上がり、これにウェットなキーマをかけて食べるとどこの料理なのかわからないけどとにかくおいしいという感覚になります。

「ベトナムプリン」

食後に「ベトナムプリン」300円もいただきました。

苦味と甘味のバランスが良く、日本からインド、西洋へ飛んでからベトナムという国もさらに加わった世界旅行を楽しんだような気持ちになりました。

緊急事態宣言中は平日11:00〜17:00、土日は11:00〜14:30、17:00〜20:00の営業とのこと。テイクアウトも可能。夜にはパスタもあります。

南インドのミールスを出すお店は数多くありますが、南インド料理のみならず他国の料理と一緒に合わせて食べることができる楽しいお店ですよ!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年5月11日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/