【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#5】「對馬流南インド系辛口料理店 タリカロ」
僕は「奈良でカレーを食べるならどこ?」と質問をされると、昨年までは確実に「タリカロ!」と答えていました。しかし今年に入ってからそう答えることができなくなりました。何故なら、そのタリカロが「對馬流南インド系辛口料理店 タリカロ」として、東京・西荻窪に移転してきたのですから!
古都奈良で雰囲気のある小さなお店としてスタート。記憶に残る辛さとおいしさでファンの心を掴み、広い場所へ移転。さらなるファンを獲得し、「食べログ カレー WEST 百名店」に選出されたり、ミシュランビブグルマンを獲得したりと、僕が言うまでもない名店となっていたのですが、そのタリカロが東京にやってきたというのは大きな事件なのです。
西荻窪と言えばおいしいお店が多いことでも知られており、カレーにおいても名店がひしめき合う激戦区です。そこに攻めてくるのは流石であり、開店してまだそれほど日数も経っていないのですが、既に常連客も獲得しているそうで、重ね重ね流石です。
エメラルドグリーンの壁と木の温かみが印象的な店内はしっかりと仕切りもあって安心感のある造り。メニューはディナーメニューとランチメニューにかなり変わりがあります。
ランチは辛口チキンカリーとチキンキーマカリーの「合いがけ」1,250円を中心に、おかずやドリンクやトッピングを増やすかどうかという構成。今回は「目玉焼き」100円をトッピングしていただきました。
見てくださいこの骨付きチキンの存在感。握り拳よりも大きいかもしれないくらいのボリュームですが、スプーンを入れると骨から簡単にほぐれる柔らかさ。そしてこのカレーが辛いんですよ。一般的には激辛と言っても差し支えないレベルの辛さ。一口食べただけで汗が吹き出てくるのですが、それが心地よいのです。辛い! おいしい! でもやっぱり辛い! でもやっぱりおいしい! それを繰り返しながら夢中で食べ進めてしまいます。
キーマはチキンカリーに比べると辛さも落ち着いていますが、これも十分辛口です。しっとりジューシーなキーマは同じ鶏肉でも表情を変えたおいしさが感じられます。辛すぎて食べられないときはヨーグルトを一緒に合わせたり、ラッシーを飲んだり、目玉焼きを一緒に食べたりするのが良いでしょう。この目玉焼きが完璧な火入れで、辛さを和らげる以上に、カレーのトッピングとして名脇役となっています。
南インド料理をベースとしていながらも、確実にオリジナルな辛口料理。ちょっと辛いくらいではありません。辛いものを食べ慣れている僕にとっても結構、いや、かなり辛いですし、シェフにお話をうかがってみると「自分自身、これ以上辛いと食べられません」と言うくらいのギリギリを攻めた辛さなのです。だからこそ記憶に残るのでしょう。
夜は日替わりのスパイス料理も色々とあります。その中から「ムルギ・シャミケバブ」850円をいただきました。鶏挽肉をハンバーグ状にして焼いたもので、コリアンダーなどのスパイスやカレーリーフが爽やかに香り、ジューシーかつスパイシーなおいしさです。お酒も進む料理なのですが、僕のおすすめは「バングラッシー」600円。
バングラッシーとは何かというと、詳しくはあえてここでは言いません。軽く言うなら日本だと本来違法のものが入っているラッシーなのですが、もちろんここのバングラッシーは合法。本場インドで使用されている材料の代わりに、お酒が色々と入っているカクテルというわけです。これがね、ガツンとくるんですよ。それでいて飲みやすい。危険なやつです。
ほかにもあります。国産羊を使用した「『まぼろしのマトン』のスペアリブのロースト」(2,600円~時価)は、スパイスとともに焼いたマトンにミントソースをあしらったもの。食べてみると羊のイメージとして持たれるネガティブな臭味はまるで無く、それでいて羊の持つポジティブな味わいはしっかりと感じられ、マトンが苦手な人にも好きな人にも楽しめるという逸品でした。
色々とありすぎて何を食べれば良いのか悩んでしまったら、「夜のタリカロ・カリープレート」1,950円が良いでしょう。お腹と財布に余裕があれば気になったものを色々と頼むのがおすすめです。
昼も夜も違った楽しみ方ができるお店ですから通い甲斐もあります。既にカレーマニアには話題となっているお店ですが、マニア以外にはまだまだ知られていないからか、平日は予約無しで入れる日も結構あるそうです。ということは、週末は予約必須ということでもあります。
カレー界のみならず、東京の飲食業界にとっても大きな衝撃の到来です。辛い食べ物が好きな方は是非とも行ってみてください!
※価格はすべて税抜