余韻までおいしくする!

「イチゴと練乳クリームのタルト」(25㎝ホール8,600円)

練乳入りのホイップクリームの上には半分にカットしたイチゴをぎっしりのせた「イチゴと練乳クリームのタルト」。人気トップ3に常にランキングされているそうですが、このビジュアルなら頷けます。

人気のイチゴはこちらの練乳クリームとフルーツタルトを常備しており、スペシャルでフランボワーズ味の練乳クリームが登場したり、予約&数量限定でイチゴのショートケーキも注文できたりするそう。サイズも1ピース、ホール12cm、17cmとバリエーションがあるのはイチゴだけ。

「イチゴと練乳クリームのタルト」(1ピース テイクアウト860円、イートイン876円)、「DRIP COFFEE HOT」(450円)

早速味わってみましょう。甘い、けれど思ったより甘くない? タルトとクリームの上に所狭しとぎっちりのったイチゴは甘さと酸味が香りと共に口の中でじんわりと広がります。フワッフワの練乳クリームはきめ細かくす〜っと溶け、するとまたほんのりと甘みを感じます。その正体は自家製のイチゴジャム。最後に甘さと調和するかのようにタルトの生地の塩気を感じます。

「口の中に甘さが残るとコーヒーや紅茶で流したくなりますよね。うちのタルトは余韻をいつまでも楽しんでいただけるように、最後に口の中に残るタルト生地は甘くしないのです」。それで甘いのに甘くないと感じたのでしょうか。最後の余韻までおいしくする! それは“タルトのデザイン”にかかっていました。

「鳴門金時と黒糖クリームのタルト」(ホール7,200円)

タルトをデザインする! これはどういうことかと言うと、先端から食べていくと想定して、例えばこの「鳴門金時と黒糖クリームのタルト」はさつまいもと黒糖クリームで口の中がもったりしてきたところにクリームで食感を、その後にクルミを置くことで味わいを変化させているのです。そして最後に口に入れることになるタルト生地はクレープダンテル(薄焼きクッキー)を砕いて練りこみコーンフレークのような食感を加え、シナモンを味の余韻にしました。このシナモン、効果絶大です。

「鳴門金時と黒糖クリームのタルト」(1piece テイクアウト720円、イートイン733円)

ケーキにのせるものはおいしくなければ!

試食して使えないと思ったフルーツはすべて賄い行き、という厳しさ

「できたてのおいしさは変えがたいもの。実は味見がいちばんおいしいのです」と、食材はブランドにこだわらず、おいしいもの、新鮮なものであることを優先して仕入れているそう。

「アムストラムグラムpic!」(テイクアウト880円、イートイン896円)、「フルーツティー」(630円)

その食材をさらにおいしくするために気をつけているのが切り方だそう。柑橘類は輪切りにすれば面積も大きく見た目も派手ですが、いちばんおいしく食べられるのは房を切らずにそのままです。

フルーツは果肉が厚いほどジューシーに感じられるので、イチゴそのものの味やシルエットが感じられる切り方にこだわっています。外国産のブドウは上の方だけ切ったり、真ん中で切ったりとランダムにすることで味も変わるし食感が楽しくなります。「タルトの上にのっているものはおいしくなければ」と話します。