【第2週のカレー】テイクアウト営業で生産者を応援! お店ならではのドライカレーを弁当で堪能「jicca

緊急事態宣言が発令されたことにより、対象地域の飲食店に対する営業時間の短縮要請も出されました。様々な考え方がある中で、テイクアウトのみの営業に切り替えるお店も出てきています。幡ヶ谷にある諸国小料理をいただけるお店「jicca」もそのひとつ。

通常はカレーやピザなどのランチと、世界各国の料理をつまみにお酒が飲めるディナーの営業なのですが、2021年2月7日まではテイクアウトのみの営業に切り替えました。

何故そうしたのかと聞いてみると「飲食店には協力金も出るということなので休んでも良かったんですが、現時点では食材の仕入れ先や生産者には協力金が出るか分からないという話なので、そんな方々のためには仕入れを止めない方が良いということと、うちの料理を食べたいと言ってくれる常連さん達のために、テイクアウトでという形にしたんです」と語ってくれました。

今回の緊急事態宣言は飲食店が狙い撃ちされているという意見も聞こえてきますが、飲食店のみならずその周りにも影響が出ますし、自分で料理を作れない人も当然いますから、広い視野を持って柔軟な考え方で行動している飲食店の皆さんを応援したくなりますね。

そんなわけでjicca、ドライカレー弁当と諸国小料理4種盛りの2本立てをメインにテイクアウト営業中です。せっかくなのでどちらもいただきました。「ドライカレー弁当」1,000円はランチメニューのドライカレーを弁当にアレンジしたもの。豚挽肉と焼野菜のカレーは個性あるスパイス使いで、ほかにありそうでないおいしさ。クミンシードがしっかりと利いていて、豚肉に高級感が出てくるような味わいです。

「ドライカレー弁当」

野菜もパプリカ、茄子、紅芯大根、金時人参など、旬の野菜を使用(野菜の内容は日替わり)。身体も喜びます。普段のランチのドライカレーも最高においしいのですが、テイクアウトだとまた少し違った表情に感じられるのも楽しいですね。スープ付きなのですがこのスープも季節野菜がたっぷり入った優しく滋味深い味わいで身も心も温まります。

「4種盛り合わせ」

「4種盛り合わせ」1,000円の内容は日替わりなのですが、この日は合挽き肉のポルペッティトマト煮、イワシとじゃがいもの重ね焼、ローストかぼちゃのマリネ、季節の8種野菜のスープ。それにグリーンサラダもつくので実質5種というお得さ。

ポルペッティはイタリア料理の肉団子ですが、ほかの料理はどれも様々な国の料理のエッセンスが混ざり合ったものであり、どこの料理と言うよりはまさに諸国小料理と言えるjiccaならではのおいしさ。どこの料理ではなく、jicca料理であり、jiccaの味なのです。

「塩パン」

この4種盛りには是非「塩パン」250円を合わせて食べてください。この塩パンが驚きのおいしさなのです。ハードなパンなのですが、かじってみれば中はしっとりもっちり。岩塩とバターの風味のバランスが絶妙で、パンだけで食べてもおいしく、おかずと一緒に食べてもおかずに負けないおいしさであり、それでいておかずのおいしさを底上げするような凄いパン。ここ最近で僕が食べたパンの中で一番おいしいと感じました。素晴らしい!

店内飲食時のドライカレー

何を食べてもおいしいお店です。実はこちらのシェフ、カレー界の巨匠達とも繋がりがあり、そんな方々からも評価されている実力派なのですが、ご自身が目立つのを嫌う方なのでそのような話を公には出さないでいるという、隠れた名シェフ。僕自身、リスペクトしているシェフの一人です。

通常営業に戻った際のデザートには、アイスコーヒーとチーズケーキもおすすめ!

通常営業の際にはカレーを食べてスイーツとコーヒーで〆たり、ワインを飲みながら様々な料理を楽しんだりできますが、それは緊急事態宣言が終了するのを待つとして、今はテイクアウトでその素晴らしさを感じたいですね。

苦難の時期ですが、お店で食べる、あるいはテイクアウトして食べることが、お店の為にも生産者の為にもなりますし、おいしいものを食べて幸せな気分を味わえるので自分の為にもなりますから。

※テイクアウト商品はすべて税込価格

※本記事は取材日(2021年1月11日)時点の情報をもとに作成しています。