心も身体も癒やされる清湯麺に、やさしい甘さのデザートで〆る

酢醤油で食す「羊肉の水餃子」(2個)800円、滋味深い「アオサの清湯麺」1,780円。味のある器は、本店で50年以上にわたり使い続けていたもの。

この日、食事の〆に食したのは、点心と麺類という最強の組み合わせ。

「羊肉の水餃子」は、カボチャを練り込んだ皮でラム肉と大根を合わせた餡を包んでおり、ほんのりと甘さを感じる皮にラム肉の強烈なうまみが絡み合う。大根のフレッシュな歯ざわりも心地よく、後味はさわやかだ。

一方、「アオサの清湯麺」は身体に染み入る逸品。清湯スープは、丁寧にとった鶏ガラスープに鶏の挽き肉を加えて仕上げたもので、挽き肉がアクや脂分を吸い取るため、澄みわたったスープが完成する。合わせているのは、やや硬めに茹でた細麺で、クリアでありながらうまみを感じるスープにマッチしている。お酒のあとにぴったりの、やさしく滋味深い味わいだ。

「杏仁豆腐」(小)680円、「くるみ 白玉 お汁粉」(小)680円。

フィナーレを飾るデザートには「杏仁豆腐」と「くるみ 白玉 お汁粉」をチョイス。

「杏仁豆腐」は、甘やかな“南杏仁(甜杏仁)”と漢方的な要素の強い“北杏仁(苦杏仁)”を独自の割合でブレンドしてつくったもの。まわりのソースにも“南杏仁”を加えており、甘い香りが人々を幸せな気持ちにしてくれる。

「くるみ 白玉 お汁粉」は、白玉のなかに少しだけジャスミンをきかせたすっきりとした味わいが特徴だ。どちらも甘さひかえめで、罪悪感なくぺろりと食べられてしまう。

お客さまに末長く愛されるように……

店主の林亮治さん。実家は53年の歴史を持つ島根の中華料理店「桃仙閣」。中学のころから家業を手伝い、高校卒業後に上京し恵比寿「筑紫楼」や西麻布「麻布長江」などで修業を積んだ。

林さんは同店を、島根の「桃仙閣」のように人々に長く愛される店にしたいと考えている。そのために心がけているのが、どんなシーンにも対応する使い勝手のよさだ。アラカルト注文をメインにしているからこそ、スタッフ全員が料理の構成や量をゲストに提案できるようにしている。

今回は2人で楽しめるよう料理構成と量を調整してもらったが、例えば1人で訪れた場合は「エビチリ」を2尾や1尾からでもつくってくれるそうだ。また食材のアレンジも、可能な限り対応するというからうれしい。

おいしい中華を堪能できて、価格もお手頃。さらにゲストのわがままを叶えてくれるときては、リピート必至である。

4席のカウンター。1人でもふらりと訪れたくなる。

【本日のお会計】(2人)
■食事
・おまかせ前菜3種(2名分) 3,380円
・野菜の前菜3種(2名分) 1,680円
・エビチリ(4尾) 1,680円
・酢豚(小) 1,600円
・羊肉の水餃子(2個) 800円
・アオサの清湯麺 1,780円
・杏仁豆腐(小) 680円
・くるみ 白玉 お汁粉(小) 680円
■ドリンク
・青島ビール 900円×2
・白ワイン 1,200円×2
■サービス料 10%
合計 18,128円(1人 9,064円)

※価格はすべて税抜

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2020年11月20日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:梶野佐智子(grooo)
撮影:松村宇洋