「エビチリ」に「酢豚」、定番の“あの味”がここにある

ビールとの相性も抜群の、懐かしい「エビチリ」(4尾)1,680円。

続いてオーダーしたのは「エビチリ」だ。ネギ、ニンニク、生姜、トマトケチャップ、そしてフレッシュトマトとトマトの水煮を合わせたソースは、辛すぎないやさしい味わい。

店主の林さんは、自身の店を「普通の中華料理店」だと言う。「特別な食材を使っているわけでも、斬新な調理法を取り入れているわけでもありません。伝統的な中華料理を当たり前のつくり方で、丁寧においしくつくる。それだけです」と笑う。

特別な隠し味はなくとも、それで十分においしい。この「エビチリ」から「桃仙閣 東京」の「華美でない普通」ではあるものの、ひとつひとつの丁寧な仕事によりおいしさを追及するというフィロソフィーを感じるのだ。

伝統を受け継ぐ「酢豚」(小)1,600円。

こちらも定番の「酢豚」。島根の「桃仙閣」でつくられ続けてきた、伝統の味である。スープや出汁は加えておらず、醤油、酢、砂糖、水で仕上げたシンプル・イズ・ベストな仕上がり。甘味、酸味、塩分のバランスが絶妙で、きくらげ、サツマイモ、レンコン、シシトウの異なる食感もすばらしい。