【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレー】2020年4月を振り返る

コロナ禍により、外食もままならないご時世になってしまいました。狭い店舗や行列など、人同士の密集による感染の可能性が上がるという話も出ています。そんな中、本連載もテイクアウト可能なお店のご紹介という形に変化し、外食産業並びにおいしいものを食べて元気を出したいという皆様のために少しでも力になれればと考えております。テイクアウトなら感染の可能性も格段に低くなりますから。政府の方針次第で店舗営業の形も随時変化していく可能性がありますので、現状どうなっているかはそれぞれのお店のSNS等をご確認の上、ご利用いただければと思います。

 

お店で食べる楽しさとはまた違う楽しみ方が家ではできます。例えば、テイクアウトしたカレーに自分の好きな食材を自由にトッピングできたり、好きなお店と好きなお店のカレーでコラボあいがけができたり。今だからこそできる楽しみ方で前向きに、おいしいものを食べて心身共に元気を出し、この苦難を乗り越えていきましょう!

【第1週のカレー】神保町で野菜カレーが食べたいときの新候補! 有名スリランカ料理店が新店をオープン

新型コロナウイルス問題で飲食業界も大打撃を受けているのは皆さんもご存じの通り。そんな、先行きが分からない不安のなか、新規開店するお店もあります。開店時期は前々から決まっていたことですし、開店しようがしまいが家賃はかかってしまいます。ならば​開店して少しでも売上を立てないといけない、という事情もあるわけです。新規開店するには相当のお金がかかっていますし、閉店する​のにもお金はかかるわけですから。​

カレー激戦区神保町で3月に開店したこちら「タップロボーン」も、本来なら開店早々話題を呼んで行列になっていてもおかしくないお店なのですが、現状苦戦しているようです。

 

​こちらは東京のスリランカレストラン界を牽引する存在と言っても差し支えない名店であり、東京にまだ本格的なスリランカ料理店が​数える程しか無かった頃から南青山に本店を構え、大人気となりました。その後できた門前仲町の二号店も人気店となっていて、ついに三店​舗目を神保町で開店したという流れがあります。​

メニューは各店舗同様幅広く、本格的なスリランカカレー、名物の「デビルライス」に「ランプライス」、僕の大好きなオリジナリティ溢れる「ジャパランカ​カレーライス」もあり、どれを食べてもおいしいのは知っているので悩んだのですが、よくよく見ると神保町店にしかない限定メニュー​として、ラトゥキャクルというスリランカの赤米を使った「アーユルヴェーダ・ラトゥキャクルワンプレート」1,380円があったのでそ​れを注文しました。​

「アーユルヴェーダ・ラトゥキャクルワンプレート」

野菜カレー、チキンカレー、そして副菜と思いきや、チキンじゃないんです。ベジミートのカレーとなっていて、つまりは野菜オンリ​ーのベジタリアン仕様ワンプレート。すこぶるヘルシー!​ 神保町といえば昔ながらの欧風カレーが多いエリア。その中において、野菜のみで満足できるヘルシーなカレーは貴重な存在です。​

 

味はスリランカの現地味に忠実。辛さは少し抑えめですが、スリランカ料理は日本人の舌との相性も良く、多くの方が食べやすいと感じるおいし​さだと言えるでしょう。​

サービスの「野菜スープ」

まずベジミートカレー。ベジミートは大豆たんぱくで作った低糖質高たんぱくの栄養食品。噛み応えが肉に近く、野菜なのですが肉を​食べた感覚を得ることができます。こちらはしっかりとスパイシーなスリランカの肉系カレーテイストで存在感ある味わい。​一方、野菜カレーはココナッツの甘味と野菜の滋味が渾然一体となった優しい味わい。​

ラトゥキャクルは何もつけないで食べても華やかな香りと風味があり、食感も日本米より軽やかで食べるのが楽しいです。​途中ポルサンボル(スリランカのスパイシーココナッツふりかけ)などを混ぜながら味変して最後まで飽きないおいしさ。​

 

スリランカカレーは混ぜて食べるというのが通説ですが、こちらのオーナーのカピラさん曰く、全てを一気に混ぜてしまうのは縁起が​悪い食べ方なので、部分部分で少しずつ混ぜながら食べるのがおすすめとのこと。​現地料理の食べ方については常に諸説あるのですが、こちらのお店のカレーは確かに全部一気に混ぜるよりも、部分部分少しずつ混ぜ​ていった方がよりおいしく楽しめる味だと思います。​

 

そして、2020年4月6日からは、「タップロボーン デリバリー部」によるデリバリー営業のみ行われています。港区・江東区・千代田区限定での配送となりますので、お住いの方はこの機会に是非チェックしてみてください!

 

※価格は税込

※当記事の取材は2020年3月に行われました

 

【第2週のカレー】ワンコインで大満足できちゃう。地元で愛されるテイクアウトカレー専門店

政府から緊急事態宣言が出ました。どの業種も大変な状況ですが、特に飲食店は営業すべきか否かで悩んでいるお店も多いようです。人と人との距離感を考えると外食もままならない状況になってしまっているのですが、そんな中でテイクアウトやデリバリーに注目が集まっています。確かにそのような形であれば人との接触を最小限にできますからね。

 

食べログでもテイクアウト特集ページが開設されたということで、今週のカレーもしばらくの間はテイクアウト・デリバリー対応店を中心にご紹介しようと思います。

というわけで今週は、東京・上池袋にお店を構える「カレー パルファン」です。開店したのは15年ほど前のことで、明るい雰囲気のテイクアウト専門店として地元民に愛されるお店です。

カレーは主に、牛スジベース、おからベース、ひき肉のキーマの3種類。今回は牛スジベースから、ほうれん草とトマトがトッピングされた「元気が出るポパイカレー」500円と、おからベースから「おからキーマカレー」450円にチーズトッピング50円をテイクアウトしました。どちらも雑穀米つきで500円という安さに驚きます。それでいて保存料、甘味料、着色料を一切使用しないこだわりの手作りカレー。

「元気が出るポパイカレー」

ポパイカレーは牛スジの旨味とトマトの爽やかな酸味が手を繋ぎ、そこにフワっと香るカルダモンがシードで入っているのが素晴らしいです。

ほかにも20種類のスパイスを使用しているそうで、まさに食べると元気が出てくるようなカレーになっています。

「おからキーマカレー」

おからキーマは文字通りおからとキーマを合わせたもの。おからに挽肉の旨味が染みこんで低カロリーでヘルシーでありながら、おいしさも損なわれていないオリジナルカレーです。チーズとの相性もバッチリなのでトッピングがおすすめですよ。

どちらのカレーもヘルシーでおいしく、食感も重すぎずそれでいて満足感は得られる、毎日食べても飽きのこないカレーです。スパイスがガツンと利いた派手な味ではないので家庭的とも言えるのですが、いざ家庭でとなるとこの味はなかなか出せないでしょう。

あいがけで楽しむのも◎!

お店を切り盛りするお母さんの人柄も素晴らしいです。話好きな方で、ポジティブでいつも笑いが絶えません。お母さんのちょっとした話にもいつも元気をもらえます。行列ができるというわけではないのですが、早めに売り切れることもしばしば。

こんな時期だからこそ、ワンコインでテイクアウトできるヘルシーなカレーは本当にうれしいですね。外出自粛の要請も出ていますが、健康を維持するための運動や散歩は禁止されていません。お近くの方は散歩がてら是非!

 

※価格はすべて税込

 

【第3週のカレー】魚介だしの旨味全開! 人気間借りカレー店がテイクアウト専門店として移転オープン

東高円寺の骨董品店の間借りというお店自体が持つ個性的な雰囲気と特徴ありすぎる店名、そして和風だしをベースにしたオリジナリティ溢れる和風カレーのおいしさで瞬く間に人気となった「平日昼だけ」が、2020年2月にテイクアウト専門店「弁当『平日昼だけ』カレ​ーだけ」として目黒に移転しました。​

移転先は権之助坂を下ったところにあるイスラエル料理店。同じビルにはカレーの名店「タダカリー」もあり、そことかぶらないよう​にイートイン不可、弁当のテイクアウトのみというスタイルになったそうです。​

近所の人しか食べられないじゃないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。フタを外せば電子レンジで再加熱可能な容器にいれてくれるので、自宅でもほかほかの状態で味わうことができます。​

 

カレーは「和だしそぼろカレー」のみ。これにトッピングをつけるかつけないかというメニュー構成。​メインのカレーは鰹、昆布、どんこ、いりこを使った、だしにこだわった旨味全開のカレーです。

 

ほのかにとろみがついていて、それ​がご飯とからまればそれだけでも十分おいしいところに、そぼろ、大葉、梅干しなどがトッピングされ、別添えの揚げ玉や山椒をかけ​て食べると香りや食感にも変化が出て、最後まで飽きることなくおいしさの形が変わっていくのがとても楽しいです。​

「和だしそぼろカレー&ブーたれ」

「和だしそぼろカレー&ブーたれ」1,130円は、「ブーたれ」という焼豚的なものがトッピングされます。こちらは豚バラ肉を二番だし​で煮込み、醤油ベースのタレに絡めたもの。提供直前にバーナーで炙ってから盛り付けてくれるので、香ばしさも加わって豚肉好きに​はマストなトッピングです。​

「和だしそぼろカレー&いわしの生姜煮」

「和だしそぼろカレー&いわしの生姜煮」1,030円は、生姜醤油でしっかりと煮込んだいわしをトッピング。骨ごと食べられるくらいに​柔らかく、味が染み込んでいておいしいです。​

 

久しぶりに食べたのですが、以前より確実においしさがレベルアップしていました。​特にブーたれやいわしの生姜煮の存在感が素晴らしく、和だしカレーとの相性がまた最高で、前店舗で一度食べたことがあるという方​も、是非改めて食べてみてほしい逸品となっています。​

 

前店舗はお店の雰囲気も込みでの楽しさがありましたが、現店舗はテイクアウトだからこその楽しさも一緒に味わえます。​移転しても相変わらずの名店でした!

 

※価格はすべて税込

 

【第4週のカレー】ゴロゴロ野菜がたっぷり! テイクアウトでも大満足の栄養満点スープカレー

カレーは完全食、健康食であり、薬膳効果も期待できるとはよく聞く話。たしかに、一皿で肉も野菜も穀物も摂れる完全食であり、栄養バランスも考えられた健康食であり、スパイスやハーブは漢方薬としても用いられています。​中でもスープカレーは野菜がゴロゴロと入っていて肉もしっかり。スパイスの量も選べることが多く、健康食としてのカレーの代表的​なものと言えるでしょう。

そんなスープカレーを、神田と秋葉原を結ぶガード下でテイクアウトメインのお店として始めた「スープカレー カムイ」。秋葉原らし​くアニメ絵が店内に飾られている独特な雰囲気の中、本格的な札幌スープカレーが食べられるお店として人気です。

 

​現在は前店舗から徒歩2分の場所に移転して、かなり広くなって以前よりゆったりと食べることができるようになりました。​もちろんテイクアウトも継続しています。​今のような時期にはテイクアウトが良いですね。​

スープカレーも色々ですが、カムイのスープカレーは古き良き札幌スタイル。王道のスープカレーは重さが無く、スッキリとしながら​もしっかりと満足感を得られる旨味が満ち溢れたスープで、スープカレーの名店が増えた東京においてもここでしか食べられない​おいしさと言えるでしょう。​

 

カレー好きな人の中にも時々「スープカレーは薄いので好きじゃない」という方がいるのですが、そんな方にもここをおすすめすると​「ここのスープカレーはおいしい! スープカレーのイメージが変わった!」という感想をもらうことが少なくないです。​

「ポーク野菜カレー」(写真は過去にイートイン利用した際のもの)

僕のイチオシは「ポーク野菜カレー」1,040円。これにその日の気分でトッピングを加えます。「エリンギ」100円は素揚げしたものが​入り、プリっとした独特の食感がほかの野菜や肉とまた違うことから変化とリズムが生まれてきます。​メインの豚はしっかりと煮込まれた角煮。豚の脂の旨味もスープに加わっておいしさの相乗効果が生まれるのが素晴らしい! 辛さも​選べるのですが、辛めにした方が豚にはよく合うと思います。​

「チキン野菜」

そして、今回は看板メニューの「チキン野菜」990円をテイクアウト。家で食べてもおいしさは変わりません。程良い柔らかさに煮込まれたチ​キンは骨なしで食べやすく、野菜は人参、ピーマン、茄子、そしてトマトとたくさんのブロッコリーが入って食べ応え十分。野菜が苦​手という方でもカレーに入っていると不思議と食べることができたりしますよね。野菜がたっぷりなので、ご飯の量は少な目にしても満​足感があるので減量食にもなるかもしれません。​

 

家にいる時間が長いとついついつまみ食いをしてしまい、太ってしまったという方も少なくないでしょう。​そんなときは野菜たっぷりのスープカレーです。腹持ちも良いし薬膳効果も期待できますから、今の時期におすすめのカレーですよ!​

 

※価格はすべて税抜(イートインとテイクアウトで税率が異なります)

 

 

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。
※時節柄、営業時間やテイクアウトメニューの内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

 

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/