〈食通の昼メシ〉
日々新しいトレンドが生まれるグルメ業界。流行りのメニューを試すのも楽しいが、毎日食べたいのは昔ながらの定番メニューだったりする。業界きっての美食家「食べログ グルメ著名人」の6名に、毎月、一番好きな定番昼メニューの名店を教えてもらう連載。今日のランチはこれで決まり!
教えてくれる人
小宮山雄飛
1973年東京生まれ原宿育ち。ホフディランのVo&Key。音楽界のグルメ番長。カレー好きとして知られ、著書に「カレー粉・スパイスではじめる 旨い! 家カレー」「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」「今日もひとり酒場」などがある。2018年9月には日本初のレモンライス専門店「レモンライス東京」を渋谷にオープン。
今月のメニュー:「そば」
気がつけば12月。年の瀬になると、今年はどこのそばで一年を締めくくろうかと思いを巡らす。毎年決まった店のそばを手繰るような大人に憧れつつ、ついついもっとおいしいそばがあるんじゃないかと浮気してしまう。大晦日に自宅で食べるそばも旨いが、やはり店で食べる「三たて」には敵わない。だから12月の後半くらいから、ちょいちょい気になるそば屋を訪ねてはフライング年越しそばで一献というのが正解かもしれない。
小宮山雄飛、昼に最高の「そば」
「並木藪蕎麦」のざるそば 800円(税込)
江戸っ子でそばっ食いの父に連れられて子供の頃から通っている、言わずと知れた東京の名店。醤油が濃い、いわゆる「辛い」つゆが有名ですが、単にしょっぱいのではなく奥深い旨味があるのです。
その証拠に、そばを食べ終わった後にそば湯をもらって薄めて飲むと、出汁の味ががつんと来て「こんなに出汁の旨味が入っていたんだ!」と驚きます。
東京のそばつゆはしょっぱいというのは間違いで、本当は醤油も出汁の旨味や香りなど全てが「濃い」というのが正解だと分かります。