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おしゃれフードトレンドを追え! Vol.45
こだわり派が夢中になる「あの店のあの調味料」
食べることが好きな方なら、「味変(あじへん)」しながら料理を味わう楽しさをご存じなはず。アレンジして自分の好みの味を作り堪能する、という味変プロセスは、ファッションの楽しみ方と全く同じだ。それもあってか、着こなしで服のテイストを自由に操るファッション業界人は、とにかく味変のための調味料に目がない。例えば中華料理店に行けば、「餃子には酢と山椒」「私は辣油と塩」など自分なりの味付けスタイル自慢が始まる。
このように、調味料の使い方アレンジにこだわりを見せるおしゃれ業界人だが、それよりもステイタスになるのは“おいしい調味料を知っているかどうか”だろう。冬になれば鍋の定番、ポン酢の話が撮影現場や打ち合わせで必ず出る。都内では買えない京都の老舗店のポン酢、無添加有機のポン酢、などなどおしゃれな人に聞けば、それぞれのお気に入りポン酢ブランドが必ずあるはずだ。
様々な調味料が世に出回っているが、ファッション人たちを惹きつけているのは「あの店のあの調味料」。スーパーなどの店頭に並んでいる、調味料メーカーから出されている商品よりも、料亭や有名店から生まれた調味料に話題が集中している。店のシェフ発信の調味料だからこそ漂う本物感、レア感が情報発信者たちの心をくすぐるのだ。
そんな中、料理店発信の調味料としておしゃれ人に近頃人気なのは以前イタリアンのお店紹介でも取り上げた「チニャーレ」の山椒ペースト(1,500円)。和歌山の山椒の実、皮、種と塩だけで作った香り高くスパイシーなペーストは、冬の鍋やパスタ、ラーメン、蒸し野菜など料理を問わず使える。夏はカルパッチョにもぴったりだ。ネット販売しているが、現在も売り切れ中なので、実際にお店に行って購入するのが良さそうだ。ホムパに持参すれば「おお〜!」とどよめきが起こるだろう。
レア度の高いチニャーレ山椒ペーストに対して、誰もが知る最も有名なレストラン発信の調味料といえばピエトロのドレッシングだろう。福岡市天神の路地の小さなレストラン「洋麺屋ピエトロ」(1980年オープン)は明太子や高菜、納豆などの食材を取り入れ、和と伊を融合させたメニューが話題となり行列のできるお店に。パスタが茹で上がるまでの時間に提供されるサラダにかけていた手作りドレッシングが話題となり、誰もが知るブランドとなった。さらに、ファッション業界人から絶大な支持を得ている沖縄・那覇の「ジャッキーステーキハウス」が誇る「ドリームNo.1ステーキソース」もB級調味料好きには外せない、レストラン発信の調味料だ。「野菜・果実は通常ソースの約5倍、香辛料、モルトビネガーをふんだんに使用した超濃厚なアメリカンタイプのステーキソース」とHPに書かれているように、都内では経験することがない濃厚な味わいに虜になるメンズが絶えない。
年末年始は自宅に客を招いたり、誰かの家に行ったりとホームパーティーの機会が多い時期。ここは知る人ぞ知る〇〇の調味料を持参して、場を盛り上げよう。
調味料目当てで行く価値あり! XO醤の最高峰:ヘイフンテラス(日比谷)
香港に出張に行った時にお土産にXO醤を探していたところ、現地の食通コーディネーターさんに「ペニンシュラホテルのXO醤が一番ですよ、高いけど」とオススメされたのが、ペニンシュラXO醤との最初の出会いだ。以来、贅沢な具と香り高いスパイスの虜になった。しかし香港に行かないと買えない! と困っていた中で出会ったのがザ・ペニンシュラ東京 ヘイフンテラスオリジナルのXO醤だ。1980年代、ザ・ペニンシュラ香港の中国料理レストランが開発して大ブームとなったX.O.醤を日本人向けに食べやすくアレンジしたのがヘイフンテラスのXO醤で、こちらは香港のものよりマイルドで海鮮の旨みと適度な辛味が絶妙だ。
ヘイフンテラスは中国蘇州の庭園様式をテーマとした異国情緒に溢れる空間の中で、本格的な広東料理を食べられる人気店。ランチコースの際にも、XO醤を下さいという一言でお皿に盛り付けて提供してもらえる。ヘイフンテラスのシグニチャーでもある点心や炒め物といっしょに食べればさらに一段階上の味の奥深さに仕上がるので是非お試しを。乾燥ホタテ、最上級の金華ハム、エシャロット、ニンニク、干しエビなどをふんだんに使ったXO醤、値段が高いがその価値ありだ。地下のザ・ペニンシュラ ブティック&カフェで1瓶(200g)6,000円で購入可能。
門外不出! 水餃子のタレを自宅でも:山東(横浜)
横浜中華街にある、水餃子が有名な「山東」は行列ができる人気店。厚くてモチモチの皮に包まれた肉汁たっぷりの水餃子はプリッとジューシーだ。
あっさりとした水餃子に欠かせないのが、ココナッツテイストの特製タレ。刻んだココナッツや小魚のような具、何が入っているのかは秘密だということだが、ココナッツがほのかに甘く、辣油ベースのピリ辛感が辛すぎずマイルドで老若男女に愛される味わい。具がたっぷりのこってりタレは、容器からスプーンですくって皿にたっぷり取り、もっちり水餃子に何度ものっけながら食べるのが正解。他では味わえない手作り感溢れるタレにハマる人が多い。店で食べる水餃子は10個入り700円と値段もリーズナブル。食べ応えがあるのでこれとビールでも大満足だ。店でもオンラインでも水餃子20個(10個入り2パック)が特製ココナッツだれ付1,740円で買える。帰省時のお土産にも最適!
絶妙ミックスの七味:ほうとう不動(河口湖)
週末のエスケープに、都内からアクセスの良い河口湖を訪れるおしゃれ人が多い。山梨に来たら必ず食べるのがほうとう!ということで、河口湖周辺で4店舗展開している、老舗のほうとう専門店「ほうとう不動」に行くのが業界人の定番コースとなっている。
メニューはなめこ、白菜、人参、かぼちゃなど季節の野菜がたっぷりと入った「不動ほうとう(1,000円)」のほか、馬刺し、いなり寿司、もつ煮、つけもの盛り合わせ、ご飯の6種類のみ。自家製麺を味噌仕立ての汁で煮込み、野菜をたっぷり入れたほうとうは、ダシの旨味も効いた香りも豊かな逸品だ。
テーブルにはほうとう不動秘伝の七味が小さな器に入れられている。辛さと香りにこだわって、選びぬかれた7種類の薬味と伝統あるやげん堀の一味を不動ならではの製法で調した薬味。ゴマの香りも漂い、ほうとうの味を格上げしてくれる。レジ近くにはパックにたっぷり入った七味が500円で売られているので、自宅で鍋や豚汁を食べるときに大活躍する。通販希望の方は、本店に電話すれば1袋525円、代引き(商品代金+送料)で対応してくれるとのことだ。
ほんの一部、料理店発信の調味料をご紹介したが、お店で「このソースおいしい!」と思ったらレジまわりやネットで購入可能か調べてみればきっと買えるはず。他に先駆けて自慢できるレア調味料を開拓してみよう。
※価格は税抜