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まるで失敗作のような見た目のケーキ。一口食べると驚きのおいしさ
初めて見た人はその姿にちょっとびっくり?な表面の黒焦げと、無造作な形。この一見失敗作のようなチーズケーキが、今人気を集めています。黒焦げケーキの正体は、「バスク風チーズケーキ」。一口食べると驚きのおいしさが体験できる、注目のデザートです。
発祥はバスク地方のとあるバル。日本での人気の火付け役は?
「バスク風チーズケーキ」の人気の火付け役の一人となったのが、チーズ研究家のかのうかおりさん。「カオリーヌ菓子店」として、手作りのチーズケーキをオンラインストアや催事にて販売しています。
「カオリーヌ菓子店」の「バスクのチーズケーキ」
チーズに魅せられ、チーズの勉強をしに単身渡仏した経験もあるかのうさん。日本でチーズケーキの販売を始めた後、2011年の夏にスペイン・バスク地方を訪ねたとき、とあるバルにて運命のケーキと出会います。
スペイン・サンセバスチャンの旧市街地
店の名前は「La Vina (ラヴィーニャ)」。サンセバスチャンの旧市街にあるバルです。「まずは、表面の焦げ色と、ペーパーごと無造作に置いてある見た目のインパクトにびっくり。そして食べてみると、濃厚で、シンプルなのにあとを引く味わい。お客さんたちがワインといっしょにおいしそうに食べているのも印象的でした」(かのうさん)
バスクの「La Vina」のチーズケーキ/出典:ガレットブルトンヌさん
バスクの「La Vina」のチーズケーキ/出典:ガレットブルトンヌさん
既にチーズケーキ店を営んでいたかのうさんは、「ぜひ私も作りたい!」と、レシピ開発にいそしみます。気候や素材も違う日本で、滑らかさや味をうまく調整すること、表面の焦げをほどよく出すことに特に苦労したそう。そして、試行錯誤の末できあがった「カオリーヌ菓子店」の「バスクのチーズケーキ」は、またたく間にお店の看板メニューに。かのうさんは、「私が初めて食べたときの感動を、皆さんが味わってくれているのだと思う」と言います。
カオリーヌ菓子店
「バスク風チーズケーキ」が楽しめるお店はこちら
今では、日本にあるたくさんのスペインバルやカフェで、「バスク風チーズケーキ」という名前のケーキが食べられます。おすすめのお店はこちら。
「エスタシオン」(飯田橋)
鮮やかな盛り付けが美しい、目にもおいしい料理を楽しめるスペインバル「エスタシオン」。「La Vina」をイメージしたバスク風チーズケーキは、仕入れ状況や気分によって、ブルーチーズやヤギのチーズなど使うチーズを替えているそう。そのときどきで少しずつ変わる味を楽しめます。
出典:ガレットブルトンヌさん
「オクサワ・ファクトリー・コーヒー・アンド・ベイクス」(奥沢)
オーストラリア・メルボルンで学んだバリスタがいるカフェ。バスク風チーズケーキは、ゲランドの塩が添えられているのが特徴です。ケーキに塩味を合わせることで、甘味が引き立ち、奥行きのある味わいに。コーヒーが自慢の店なので、ぜひ合わせて楽しんでみて。
出典:神保町で食さがしさん
「フォーチュンガーデンキョウト」(京都市)
カジュアルな雰囲気で美味しい料理を楽しめる、オープンキッチンの活気あふれるビストロ。「バスク風チーズケーキ」は、パティシエが「La Vina」を訪れてその味に感動し、再現に挑戦したものだそう。今ではファンも多く、お店を代表するデザートに。
出典:お店より
一口食べたらきっと虜になる、濃厚な「バスク風チーズケーキ」。チーズケーキ好きも、そうでなくても、ぜひ一度体験したいおいしさです。