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オーナーのリレー形式により全5回でお届けするコーヒー連載の最終回。 Vol.4ビタルコーヒーで扱う水素焙煎珈琲の発明者・廣瀬幸雄教授に教えていただいたのは、ハンドドリップ優勝者を輩出したカフェ。コーヒーの可能性を引き出す多彩なコーヒースイーツも要チェック!
【コーヒーショップホッピング】
Vol.5 「コーヒー×コーヒースイーツ」東京・曳舟 カフェ シュクレ
今回訪れたのは東京スカイツリーのお膝元、墨田区・曳舟。この地で生まれ育った楡井有子(にれい ゆうこ)さんが代表を務めるUn Cafe Sucre株式会社のスペシャルティコーヒー専門店「カフェ シュクレ」へ。地元の人たちはもちろん、遠方からもお客さんが来店するという人気のワケとは……。
焙煎からドリッパーの監修まで!ハンドドリップにかける情熱
店に入るとまず目を引くのが、ずらりと並ぶコーヒーの器具。中でも注目したいのがドリッパーの種類の多さだ。
20年前のオープン以来、「焼きたてのコーヒー豆で一杯一杯を丁寧に淹れたい」と楡井さんは焙煎とハンドドリップに注力してきた。2015年、ジャパンハンドドリップチャンピオンシップでスタッフが優勝したのをきっかけに、器具の監修にも携わるように。ドリップの研究は今も続けており、毎年スタッフが大会に出場している。
そんなカフェ シュクレで体感してほしいのが、コーヒーの“飲み比べ”。まったく同じ豆を異なる器具で抽出するため、味わいの違いをその場で楽しむことができる。
抽出方法でどれだけ変わる?人気の飲み比べメニュー
コーヒー飲み比べ 1,080円〜(シェアはできないのでご注意を)
抽出方法は人気のハンドドリップやフレンチプレスのほか、エスプレッソマシン、サイフォンなどから2種を選べる。使用する豆は自家焙煎のもの。豆や器具の特徴は丁寧に教えてくれるので、気軽に質問してみて。
今回は楡井さん監修によるドットドリッパー(左上)とボダム社のフレンチプレス(右)をチョイス。ハンドドリップはまろやかですっきりした味わい、フレンチプレスは豆の特徴をダイレクトに感じられて、色・香り・味わいの違いに驚きと感動の連続だった。
また、「大好きなコーヒーをもっと活かしたい」という想いから生まれた、コーヒー豆を使ったスイーツたちもおすすめ。
口どけ抜群、濃厚コーヒープリン
エスプレッソを使ったプリンはコクがありながらもマイルドで、ムースのようにすっと消える軽やかさ。豆は同社が手がける日本初デカフェ専門ブランド「イノセントコーヒー」のものを惜しみなく使用。「子どもも安心して食べられるように」と、その心遣いが光る。
オープン初期からの人気メニュー、ワッフル
可愛らしいビジュアルでありながら、しっかり食べ応えのあるワッフル。定番の「プレーン」と日替わりのフレーバーがあり、挽いたコーヒー豆を生地に混ぜ込んだ「エスプレッソ」は頻繁に登場する。プレートセットにすれば、キャラメルナッツかベリークリームチーズのトッピングを選べるのでぜひ。
まだあるコーヒー愛炸裂のスイーツ
チーズケーキの土台の生地やケーキのスポンジ、クッキーなどにも挽いたコーヒー豆をブレンド。ガトーショコラには、コーヒーテイストのアイスクリームを添えている。「ふつうに好きだったコーヒーが、気持ち悪いくらい好きになっています」と笑う楡井さんのコーヒー愛は、メニューの随所に散りばめられている。
ほっと一息。通いたくなるサービスデーも!
店内はやわらかな灯に包まれて、落ち着いた雰囲気。「ただいま」と言って、毎日立ち寄りたくなる。
そんな気持ちをさらに高めるのが、曜日ごとの販売メニューやお得なサービス。月曜日は焼きたてワッフル(2種)、金曜日は焼きたてベーグル(4種)が並び、水曜日はコーヒー豆を購入すると10%増量になるので、ぜひ狙って訪れてみては?
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コーヒーにフォーカスしてお届けした当連載。奥深い世界を知れば知るほど、その一杯が特別なものに……。それでは、素敵なコーヒーライフを!
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取材・文・写真:武田梨江
(チーズケーキの写真はカフェ シュクレ提供)