早い! 安い! ウマい! コスパ最強の「博多天ぷら」とは?

カウンターに座る客の前で、揚げたての天ぷらを一ネタずつサーブする天ぷら定食。高級天ぷら店と同じスタイルながら、価格はとってもリーズナブル。なかには塩辛や漬物などが食べ放題となる店も。そんな大衆天ぷら食堂のスタイルを「博多天ぷら」や「博多式天ぷら」と呼び、福岡のソウルフードとして愛されています。
博多天ぷらと言えば、行列店 「天麩羅処ひらお」や、東京進出を果たした「博多天ぷら たかお」が有名ですが、今回はそれ以外にもハズせない名店を、地元ライターがご紹介!

1. 塩辛食べ放題の元祖【だるまの天ぷら定食 吉塚本店|吉塚】

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「極定食」1,250円の大エビ、穴子一本揚げはビッグサイズ!   出典:MR味子さん

「天麩羅処ひらお」「博多天ぷら たかお」とともに、福岡の“天ぷら三銃士”と称される人気店がこちら。高級料亭の板長だった初代が、1963(昭和38)年に創業した「だるま食堂」がその前身です。やがてメニューを「天ぷら定食」に一本化し、1986(昭和61)年に意志を継いだ2代目店主が、現在の地に「だるまの天ぷら定食」を開業しました。

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お残しはNG! 卓上サービスの「イカの塩辛」と「高菜漬け」   出典:ryu-sanさん

「だるまの天ぷら定食」と言えば、揚がったものから天ぷらを次々と提供する“揚げだし”スタイルの天ぷら定食の元祖。そして、“博多天ぷら”の特徴の一つと言える「イカの塩辛食べ放題」元祖の店でもあります。いずれも“おいしいものでお腹いっぱいに、満足してもらいたい”という創業者の思いから始まったサービスです。

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22センチもある大エビは衣がサックリ、身はプリプリ!   出典:MANAXさん

券売機で食券を購入するスタイルで、定食は840円からと手ごろ。定食にはご飯、味噌汁、自家製の天つゆが付きます。高温を保ちやすいという大きな中華鍋で揚げる天ぷらはアツアツ、サクサク! 中でも、22センチほどもある名物の大エビ天ぷらと、穴子の一本揚げはハズせません。大エビを楽しみたい方は「だるまエビ定食」980円を、大エビと穴子の両方を味わいたい方は「極定食」1,250円がおすすめ。

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赤、黄、青、緑の回転ランプが   出典:ryu-sanさん

店の外には、お客さんの待ち時間を表す回転ランプが。20分以上は赤、20分以内は黄、10分以内は青、空席ありは緑のランプが光るようになっています。野菜や魚介は季節ごとに旬のネタも登場し、現在はテイクアウトメニューもあるようです。

2. 博多の粋を感じる天ぷら定食【天安|舞鶴】

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天ぷら定食「松」1,300円   出典:aoimaruchanさん

1957(昭和32)年から続く、老舗天ぷら専門店。趣ある外観から高級な店を想像しますが、ご安心を。昼は天ぷら定食「竹」1,000円と「松」1,300円の2種類を用意し、いずれも良心価格(夜の定食は各+200円)。気さくな店主と女将さんが迎えてくれます。

くさたく
出典:くさたくさん

2代目の店主は、東京の名店でも修業を積んだこの道一筋の天ぷら職人。創業時から菜種油100%で揚げているという天ぷらは、衣の風味がよく、サクッと軽快な歯ざわりがたまりません。「天ぷら定食 松」は、海老3尾に4種の魚介、豚肉、3種の野菜が付き、ボリューム満点。ご飯はもっちりツヤツヤで、香りのよい赤だし、漬物も付いて言うことなし!

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外観からも老舗の風格が漂う   出典:aoimaruchanさん

外観の半分が草木におおわれており、木造の建具にも歴史を感じます。カウンター席と小上がり席を配する店内の造りも、創業当時から変わらないのだとか。博多の粋を感じる老舗へ、ぜひ出かけてみてください。

3. 職人技が光る創業90年超えの老舗【酒宇|今泉】

先ずはポテサラにゃんこ先生
「天ぷら定食」1,200円の天ぷら一例   出典:先ずはポテサラにゃんこ先生さん

1930(昭和5)年に中洲で創業し、1952(昭和27)年に現在の地・今泉へ移転。現在は創業者である父から店を受け継いだ2代目の店主が、変わらぬ味を守り続けています。平日の昼は「かきあげ定食」900円、8、9ネタが登場する「天ぷら定食」1,200円、「天ぷら定食、かきあげ付き」1,500円を用意。

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「天ぷら定食(かきあげ付き)」のかき揚げ。小エビとイカがプリッと弾ける   出典:ryu-sanさん

ジュワジュワ、パチパチと天ぷらを揚げる音が響き、アツアツの天ぷらが一ネタずつ皿の上にサーブされます。菜種油や大豆油などを合わせた特製の揚げ油で揚げる天ぷらは、衣が白く薄付き。エビは生きているものを直前にしめて使うなど、素材へのこだわりもキラリ。噛めばサクッと軽やかで、衣の中で蒸された食材の食感や香り、旨みがほとばしります。

蒼天子
出典:蒼天子さん

市場直送の海老を贅沢に使うハトシ(食パンの間にエビのすり身を挟んで油で揚げたもの)のような「ミンチ」や、タマネギを豚肉で挟んだ「トンマ」など、ひと手間加えたネタも美味。定食には小鉢、ご飯、赤だし、漬物が付き、抹茶塩と天つゆで味わうスタイルも創業時から変わりません。

ryu-san
出典:ryu-sanさん

国体道路から薬院六つ角へ抜ける一本道「上人橋通り」にあり、趣ある佇まいが目を引きます。名物「車海老の変わり揚げ」なども楽しめる夜のセット2,000円〜は、昼も注文OK。インスタグラムでは「天丼」や「かき揚げ丼」などのテイクアウト情報も発信中なので、チェックしてみてください。