「美味しい店を知らないと、真のオシャレ人にあらず」は、今やファッション業界の常識!? 本連載第3回に登場するのは、コンバーストウキョウやロンドンのブランド、スタジオニコルソンなどのPRを手がけるプーオフィス代表の笹野ハリイ美江子さん。一度惚れ込んだお店にはとことん通い詰めるというハリイさんが選んだ、表参道ランチの3店とは!?
【TOKYOオシャレ業界人の食図鑑】
FILE No.003
プーオフィス代表
笹野ハリイ美江子さん
Harry Mieko Sasano
【人物プロファイル】
いつでも自然体で
業界から愛される和み系PR
今人気の「コンバーストウキョウ」やロンドンブランド「スタジオニコルソン」など多くの玄人受けするブランドをクライアントにもち、PRやイベントなどを手がけるプーオフィス代表の笹野ハリイ美江子さん(通称ハリイちゃん)。化粧っけのないあっさりオシャレ顔で、どんな服を着てもなんとなく様になる。話していると時々出てくる富山弁、旦那さまとのラブラブっぷり、ペットのウサギを可愛がる姿を見ていると心が和む。が、お酒を飲むと大盛り上がりするのでファッション業界では「呑むと凄いよ!」との噂。週末は昔から憧れだったという花屋のお仕事を時々しているとか。
【食の傾向】
これと決めたら浮気しない
一途に好きなものだけを愛す
さまざまなブランドのPRを手がけるハリイさん。食べ物はこれ!と決めたらとことんそのお店とメニューを愛するのがハリイさんの食スタイルだ。食べられる食材は限られているものの、彼女の食生活はいたって健康的。「添加物が一切ダメだからカップラーメンは食べたことがない」とのこと。家で料理はあまりしないが、かつおと昆布できちんと出汁を取ることは欠かさないのだとか。その出汁でみそ汁や煮卵を作るのが日常のようだ。
先日一緒にランチに行ったのは青山にある「おひつ膳 田んぼ 表参道」。ハリイさんは毎週のように通い詰めているそうだが、数多いメニューの中で彼女が食べたことがあるのは「銀だら醤油・粕漬おひつ膳(1,650円)」のみ。明太子も豚角煮もうなぎも美味しそうなのに、完全スルーで銀だらにまっしぐらだ。そのほか、よく行くパスタ屋さん「ホームズパスタ」でもアラビアータしか食べないなど、好きな店でも決まったメニューを食べるという頑固さ(こだわり)をもっている。色んなものを沢山食べたい女子には信じられない行動だ。ファッションのテイストもシンプル派なら、食の嗜好もシンプル派。あれこれ迷わず一途にコレ!という食べ方が気持ちよい。
普段は仲のいい友達か、旦那さんとご飯を食べに行くというハリイさん。「店は、会社や自宅の近所が多いです。1人でも入れるビストロか予約して何人かでいくレストランなど多種多様。でも食べるメニューは決まっているんです」。ビジネス会食よりも、なじみの仲間との時間を大切にする彼女らしいスタイルだ。
そんな彼女の美味しい食ライフは、インスタグラム(@halliemieco)の「#ハリイの台所」でチェックできる。
今回紹介してもらったのは、旦那さんと行くという表参道ランチスポット3軒。「主人の会社が近いので(徒歩3分)時間を合わせて行くところです」。ランチの着こなしは、とにかく薄着。肩も背中も大胆に開いたタンクトップやベアショルダーなど、とにかく暑くない着こなしが大切だという。私は夏場に彼女が袖ありの服を着ているところを見たことがない。「昼は食べると汗がすごいから、できる限り着ない!」のだそうだ。髪を結んで首まわりもスッキリと。汗だくになる夏は、思いっきり薄着を楽しんでいる。
クレッセント
人気ブランド出身のオシャレオーナーが開いた、青山にある定食が人気の喫茶店。もともと「宇宙べんとう」というお弁当デリバリーでスタートした後、最近オープンしたのが喫茶「クレッセント」だ。玄米の上に様々なおかずがのったお弁当スタイルが特徴で、おかずも豚肉の炒め物やシャケ、餃子といったお弁当定番メニューがどっさり。体にやさしい食べ物が好きなハリイさんならではのセレクションだ。
おひつ膳 田んぼ 表参道
ハリイさんが週に1〜2回は必ず来るという和食屋さん。美味しいお米と魚や肉のおかずを楽しみ、最後は玄米茶でお茶漬けにしていただくおひつ膳。「しっかりと出汁の旨味を感じるみそ汁も絶品です!」
ホームズパスタ渋谷店
ランチにも駆け込みのディナーにも、旦那さんとよく行くスープパスタの人気店。普段はパスタを食べないというハリイさんを虜にしたのは、ここの「ニンニクとトマトと唐辛子(アラビアータ)1,200円」。並々と盛られた旨味たっぷりスープの味に病み付きになる人が続出。コーヒー、アイスティー、ウーロン茶つきというのもうれしいポイント。
食べるとすぐに暑くなるから
服選びは涼しさが大切!
これがハリイさんの表参道ランチスタイル。胸元も背中も大胆に開いたニットのタンクトップに、シャカシャカとした素材の太めパンツ(ブランドはスタジオニコルソン)。足元はビルケンでこれまた露出多め。
【ファッションテイスト】
シンプルな着こなしなのに
どこかパリっぽさが漂う
黒、白、ベージュ、ネイビーといった地味目のカラーを中心としたベーシックな着こなしが特徴。普通のデザインの服を着ていても、なぜかモードっぽく見えてしまうのが彼女の持ち味だ。パリが大好きだという彼女からは、どことな〜くパリな空気感が流れている。手ぶらで歩いたり、財布だけ抱えて買い物に出たり、そんな自然体なところがサバサバしていてカッコいい。そんな彼女のファッションは「スタジオニコルソンがワードローブの中では多いですね。重ね着をしないようにしています。色数も多くて2色まで。考えるのが面倒なのかも!」と男前な回答だ。
イラスト:Sho Miyata