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〈今夜の自腹飯〉
予算内でおいしいものが食べたい! インバウンドや食材の高騰で、外食の価格は年々上がっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで、「おいしいものを食べたいとき」に使えるハイコスパなお店とは?
ラーメンも本場の味が密かなブームに。水天宮近くにできた福建省厦門のご当地麺「西北拉麺」
今年も去年に引き続き、中華が元気な一年だったが、その一角で本格的な中華のご当地麺も静かなブームになっている。その一軒が福建省厦門(アモイ)の味を伝える「西北拉麺(シーベイラーメン)」だ。イスラム文化圏からやってきたため、ハラール認証も取得。水天宮の駅からほど近い店舗は、2018年10月のオープン以来、ピーク時には行列ができるほどの人気を集めている。
福建省厦門そのままの打ち立て麺は、話題のハラールフードでもあった
オーダーが入ってから打って、延ばすモチモチのストレート麺
平たいストレート麺はもっちり。ほどよいコシを出すために2ヶ月以上、試行錯誤したという。「やっぱり中国とは水も小麦粉の質も違いますから」(韓さん)
国産の小麦粉を2種類ブレンドし、水でこねてマイナス3度の冷蔵庫で24時間寝かせ、打つ直前にカンスイを入れる。水の量や寝かせる時間は気温によって調整する。そう、生地は生き物。
麺を打つ間にも、空気中の水分を吸い、茹でている間はもちろん、茹で上がってからも刻々と、状態が変わっていく。
「ほどよいコシのある状態は30分しか保たないので、できるだけ早く食べてくださいね」(韓さん)
注文したら、あっという間にできあがるので、麺を打ち始めたら携帯チェックはやめ。最高の麺に立ち向かうべく、こちらも最高の状態でスタンバイしたい。
必食のシグネチャー、汁なしの「牛肉拌麺」は大急ぎで混ぜ混ぜ!
焦らずに堪能したいなら、汁ものバージョン「牛骨薬膳拉麺」を
メキメキ人気上昇中、新メニュー「酸辣湯麺」は女性ウケNo.1
この秋、登場した「酸辣湯麺」は女性を中心に、早くもリピーターが続出する人気メニューになっている。牛骨スープをベースに、自家製ラー油や唐辛子で真っ赤に染まったルックスは、見るからに辛そう。確かに辛いものの、麺がもつ小麦粉の素朴な甘みや卵、ザーサイの旨み、キュウリの清涼感など、具材それぞれの異なるテイストが次々、口の中に入ってきて、辛いだけじゃない味の世界が表現されているのがミソ。熱々のスープの中でちょっとずつ火が入っていく、生トマトのフレッシュな酸味が抜群に効いている。このおかげでスープに入っている米酢の醸造された酸味がまた、一段と映えるのだ。
見逃せないサイドメニュー「焼餃子&水餃子」も、ハラール認証の牛肉を使用
サイドメニューの餃子も絶品だ。瀋陽出身の潘振敏(ハン シンビン)さんが皮からつくっている。中身は牛挽肉にキャベツ、玉ネギ、ニラ、長ネギ、生姜に漢方やスパイス入り。焼きは皮がパリッとして香ばしく、水餃子はつるんとして、弾力があり、中のあんはどちらもジューシー。しっかりと味がついているので、そのままでも美味だが、ニンニクやネギ油、ラー油、酢などを合わせたタレもよく合う。麺類でお腹いっぱいでも別腹で入ってしまうが、6個入りが多ければ3個入りも選べる。ただし、ピーク時はないときも。場合によって昼は水餃子のみ、夜や水曜、土曜は焼餃子のみ販売していることも多い。
なお、こちらの店はハラール認証の素材を使いつつも、アルコールはOK。青島ビールやハイボールなどと一緒に味わえるのが、うれしい。
ほかにも「ミニ麻婆豆腐」「ミニ丼」など、魅惑的なメニューがいろいろ。麺と組み合わせてオリジナルセットをつくるのも楽しい。
【本日のお会計】 ■食事(3人分) 牛肉拌麺 並盛 780円
牛骨薬膳拉麺 並盛 880円
酸辣湯麺 1,080円
西北牛肉焼餃子 680円
西北牛肉水餃子 680円 合計 4,100円
※価格はすべて税込