〈ニュースなランチ〉
毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、食べログマガジン編集部メンバーによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!
カレー激戦区に期待の新星
ニューオープン検索をしていたところ、恵比寿と代官山の間にカレー専門店がオープンしているのを発見! オープン日を見ると2019年6月29日とある。1ヵ月以上も気がつかなかったとは……不覚。
恵比寿はここ数年で「グッドラックカリー」「sync」「カレーの店ボンベイ 恵比寿店」などカレーの名店が増えており、 代官山は「シンゴカレー」「カリーヒルズ」など間借りカレーが話題のカレー充実エリア。
そこに戦いを挑んできた新店のジャンルは「欧風カレー」らしい。食べログのレビューを見てみると、食べログマガジンの人気連載「今週のカレー」でおなじみのカレーおじさん\(^o^)/も来訪済み。これは気になる!
編集部の実食
恵比寿から代官山方面に歩いて、鎗ヶ崎の交差点の手前にお店はあった。ドアが閉まっていると飲食店だとわかりにくいので、今まで通り過ぎていたのかもしれない。
店内はカウンターと、壁側に可愛らしいペア用のテーブル席。店名の「MARGOTH」はオーナーが初めてニューヨークで行ったレストランのお店の名前から。個人店で大型店ではないが、オシャレで居心地が良く、一番のお気に入りのお店を店名にしたとのこと。
堂々の風格、欧風カレー
カレーは「欧風ビーフカレー」1,200円、「ジューシーチキンカレー」1,100円、「A4国産牛ステーキカレー」1,800円、「季節の野菜カレー」1,350円の4種類。
「欧風ビーフカレー」をオプションの「辛口」100円でオーダー。
ほどなくしてソースポットに入ったルーと別皿でライスが到着。卓上の福神漬けとらっきょうをライスに添えてルーをかける。
「うん、これこれ」とひとり呟きたくなるビジュアル。そう、何というか、基本のカレーライス、いや王道のカレーライスの風格である。
一口食べて、懐かしさがこみあげる。幼少の頃、親戚の集まりなど、特別なときに行ったホテルで食べたあのカレーの感じ。じっくり煮込まれた、家庭では作れない、あの味わい。
ルーは2日間煮込み続けた自然な甘みのタマネギとハーブを入れたチキンブイヨン、ビーフブイヨンをバランス良く合わせているそう。スパイシーなカレーというよりは、フランス料理の技法を取り入れているので、煮込み料理に近い。
小麦粉が入っていないので、食べた後も重すぎない。口の中でタマネギの甘み、ビーフの深み、ハーブの香り、バターの深みの複雑さを感じられる仕上がりだ。
お米は粒が大きく甘みが強い山形県産のはえぬきを使用。炊くときに、ローリエを一緒に入れて香りを移すように炊いているのがポイント。福神漬け、らっきょうはカレーソースとの相性が良いようにそれぞれ選ばれている。福神漬けは甘いものより、少し塩味が強いものを、らっきょうはピクルスに近いような酸味の強いものをセレクト。
ビーフカレーの牛肉はビーフシチューによく使われていることが多い牛バラ肉を使用。ハーブと一緒にトータルで4、5時間は煮込んでおり、肉が崩れる手前を理想としているとのこと。
マストオーダーのプリン
もう一つの名物が「女王の宝石プリン」450円。このプリン、かなりおいしい。普段甘いものを食べない筆者だが、ナッツの香ばしさとプリン生地の程よい甘みのバランスが素晴らしくて、一気に食べてしまった。こちらのプリンは卵黄のみを使い、コニャックを少し入れることによって口当たりと食べた後のスッキリ感を出しているそう。「濃厚かつ軽さを狙っている」とシェフの川島氏。
ローストしたナッツのキャラメリゼも少しビターに仕上げることによって、プリンとのバランスを良くしているのが、止まらないおいしさの秘密かもしれない。
ランチはもちろん、カフェ利用もできる、懐の深いカレー店の登場だ。
※2019年10月1日より価格改定予定
欧風ビーフカレー:1,200円
ジューシーチキンカレー:1,200円
季節の野菜カレー:1,450円
A4国産牛ステーキカレー:2,000円
女王の宝石プリン:500円
※価格は税抜