【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#181】「OI 思惟 C Tokyo」

2024年7月25日に東京・都立大学の地で隠れ家ビーチハウスレストランというコンセプトを掲げて開店した「OI 思惟 C Tokyo」。オイシーシートーキョーと読みます。

「OI 思惟 C Tokyo」。読み方の正解は、オイシーシートーキョー。

こちらのマスターと出会ったのはもう20年以上も前。御徒町で会員制のダイニングバーを切り盛りしていた頃でした。そのバーの看板メニュー的存在だったドライカレーと、何よりマスターの気さくで飄々としつつも優しくて楽しい人柄に惹かれて通うようになりました。そのバーを閉めた後に千駄木で「スパイスミックスドアップ」という古民家カフェバーを開店。その後駒込に移転したものの閉店し、しばらくは流浪の料理人としてご自身のお店を構えていなかったのですが、この度本当に久しぶりの再スタートを切った形になります。

待望の新店舗は民家!

最寄りは都立大学駅ですが大岡山駅からも徒歩圏内。ただどちらからも10分以上歩いた場所にあることと、見た目が完全に民家なこともあり、文字通り隠れ家的なお店となっています。

グリーンが基調の店内
靴を脱ぎ、お家気分で本格的なカレーを味わえる

店内に入れば緑が印象的なリゾート感ある雰囲気。靴を脱いで上がることもあり、友達の家に遊びに来たような感覚にもなります。

メニューは3種のカレーと前菜が色々とあるのですが、その全部のせ的な「カレー3種と前菜のリトルパーティーセット」2,900円をいただきました。

「カレー3種と前菜のリトルパーティーセット」

カレーは御徒町時代から人気のドライカレーが名を変えた「トロピカーナフルーティカレー」に加え「豚と大根の八角花山椒カレー」「牛マッシュルームカレー」の3種。これがそれぞれ小さな器にご飯と一緒に盛り付けられています。

筆者のイチオシ「トロピカーナフルーティカレー」

トロピカーナフルーティカレーは以前よりジューシーになりフルーツの甘味と優しい酸味が印象的。レーズンが良いアクセントになっています。

コロッとした豚肉と大根の存在感が印象的な「豚と大根の八角花山椒カレー」

豚と大根のカレーは八角と花山椒を使用しているのですがスパイスの刺激よりも豚や大根の素材の味わいがしっかりと感じられる着地点。魯肉的な雰囲気も感じられる創作アジアンカレーと言えるでしょう。

シャバッとしたスパイスカレー風の「牛マッシュルームカレー」

牛マッシュルームカレーも同様で、こちらはシャバっとしたテクスチャで、スパイスカレー的な味わいでした。

食べやすくカットされたローストビーフ

前菜も色々とのっています。中華的な海老の蒸しクレープ、細かく角切りにしたローストビーフは爽やかなテイスト、ししゃものコンフィは苦みがおいしさにつながっていて、それぞれ個性ある仕上がりです。

ししゃもの苦みがカレーの良いアクセントに

カレーも前菜も単品で注文可能。お腹の空き具合に応じて頼むのが良いでしょう。どれか1つカレーを選ぶなら、やはりトロピカーナフルーティカレーをおすすめします。僕自身、御徒町時代から今も好きなカレーですから。

そしてこちらのお店の魅力はなんと言ってもシェフの人柄です。本当に楽しい方なのですが、今回はウクライナ出身の奥様もお店にいらしてお二人のかけあいが漫才のように楽しく、終始笑いっぱなしでした。店名の「OI思惟C」というのも奥様が本当においしいと感じた時に「オイシーシー!」と言うことにちなんでつけたのだとか。

一人で寂しい時に行けば確実に元気をもらえるお店です。そして何かに悩んだ時に行ってマスターと話せば、不思議と何とかなりそうな気持ちになれるのです。元気が無い方は是非行ってみてください。マスターの楽しいお話とトロピカーナフルーティカレーでポジティブな気持ちになれますよ。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部