出世ごはん
デキるビジネスパーソンはこんなお店で食べている! 元銀座のホステス&開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から見極めた「出世する店」を「おいしい理由」とともにご紹介!
No.49 出し惜しみなくテイスティングしてもらえば、新たな未来が見つかるかも?
京都で芸妓さんや舞妓さんって、見たことあります? 東京では花柳界のお姐さん方を見かけることはほぼありませんが、京都ではちゃんと本物(観光客のなりすましではなく)が毎日、道端を歩いてますよね。あれ、お座敷に向かう途中の芸妓さんだけでなく、暇なときに置屋(芸妓のプロダクション)の女将さんが「ちょっと、外歩いといで」と言って、歩かせているそうなんです。なぜか? 「京都は芸妓さんがいる街」アピールをするため、とわたくしの親友である芸妓ちゃんから聞きました。これ、一種のテイスティングみたいなもんだと思うんですよ。実物を目の当たりにすると「一生に一度は芸妓遊びしてみたい!」と街のひとや観光客が思うことで、将来の顧客を開拓するための。世の中が進むスピードって速いですから、常にアピールして忘れられないようにするためのお試しがあるとないとじゃ大違いだと思うんですよね。
たとえば、今、昔と比べておうちでお出汁をちゃんととることって減ってるじゃないですか。それって昔ながらの鰹節屋さんにとっては死活問題。そんな状況で「日本橋だし場」さんは、頑張ってらっしゃいますよね。
鰹節一筋三百十余年を誇る「にんべん」さんによるイートイン併設のショップ。一体、誰がスタバみたいにカップで出汁が飲める店ができると想像したでしょう。誰がコーヒーのように、おやつの時間に出汁を飲む日が来ることを予想できたでしょう。その他、メニューはストレートなお出汁あり、クリーム仕立てあり。出汁って朝昼晩のお味噌汁や鍋、うどんのベースだけじゃなく、お茶代わりに飲んでいいんだ!という新しい提案とともに、いい鰹節で引く出汁のおいしさを改めて教えてくれます。
イートインでテイスティングすることで、ショップでお買い物という流れも実に自然。日本の食文化を担う鰹節の未来を感じますよね。
昔はフレンチで稼ぐというとレストランウェディングという時代がありました。が、ここ10年くらいでしょうか。通販や手土産に力を入れるお店がうーんと増えたように思います。その代表例が「レザンファン ギャテ」さんですよね。
こちらのスペシャリテはテリーヌ。いや、テリーヌってこんなに種類があったの? こんなにきれいだった? とテリーヌという料理の奥深さ、幅広さ、可能性をこれでもかと魅してくれる一軒なんです。野菜、肉、魚など多様な素材をバラエティ豊かに組み合わせたテリーヌは、食べる宝石! ホームパーティにももってこいの逸品です。店内24席とのことですが、テイクアウトや通販で料理を販売すれば、それ以上の売り上げが期待できますよね。そこがミソ。また、レストランで食べて気に入ってテイクアウトするパターンもあれば、通販でとっておいしかったからレストランも行ってみようという流れもありで、どちらも試食が生きる形に。
行列ができる「按田餃子」さんも似たような感じ。
代々木上原の本店が10席、二子玉川店が18席ですから、いくら回転していても限界がありますよね。そこをどうにかしてくれるのがやはり、通販。モチモチの皮で、独特のスパイスを利かせたあんを包んだ水餃子は通販で知ったら、リアル店舗に行きたくなるし、お店で食べたら家でも食べたくなる! お世話になった方へのご挨拶に代えて、お中元お歳暮に贈っても喜ばれるはず。