ファッション誌『mina』や『SPRiNG』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。

 

「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載17回目は、東京・神田にある、貝とお酒を心ゆくまで堪能出来る「貝呑」をパトロールします。

呑み屋パトロール vol.17「貝×ワインの魅力に大満足の巻」

仕事終わりのサラリーマンで賑わう神田。駅から少しばかり歩くと、香ばしいにおいと活気に満ちた呑み屋がひしめく小道が。その一角にあるのが、今宵の目的地「貝呑」です。

店名よろしく、店頭のいけすでは、活きの良い貝がぷくぷくと泳いでいます。鮮度で味の良し悪しが分かりやすい貝にとっては、この上ない環境。今夜の肴は期待できそうです。

ここ貝呑は、立ち呑みが基本。無造作に見えてまとまりがある、なんだか心地よい場です。なるほど、この店構えだと、一人でも気軽にふらっと立ち寄れそう。

まったりと堪能したい方はご安心を。二階には座れる空間が……。酒樽をリメイクしたテーブルで、異国のバルを訪れたようなひとときを楽しめます。

 

今夜は初訪問というのもあり、カウンターで乾杯することに。立ち呑みだと、「お通しなし」という嬉しいおまけもついてきます。

さらに、もうひとつのおまけは、セルフでお酒が作れること。店の奥にはお洒落ドリンクバー設備が……!

 

ビール、ワイン、ハイボール、サワー、焼酎……と完璧なラインアップ。しかも、ほぼワンコインというお客さん想いの価格設定です。

「なみなみ注いでも大丈夫ですよ! お好みでどうぞ!」とキッチンから神の声が……。いやはや、本当に有り難すぎるシステムです。

お言葉に甘えて、贅沢注ぎをしてしまいました。これで400円は破格です。(ありがとうございます)

 

さて、思う存分貝を食べるぞ……とメニューを見ると、小洒落た横文字がボードを埋め尽くしています。

「自慢の貝はもちろんなんですが、洋風にアレンジした海鮮を楽しんでください」と、店長からの一言。女性も喜ぶ、よりどりみどりのバリエーションの宝庫です。そしてお洒落メニューなのに、お値段はかなり親しみやすい。「アクアパッツア」という上級なお品が1,080円で……すごいです。

 

豊富な選択肢に悩んだ末、店長からの「うちのは特別ですよ」の一声で頼んだのは「ポテトサラダ」480円。

貝から出た旨味たっぷりのエキスに、白ワイン、クリームをプラスすることで風味が一段とアップ。海の香りを纏ったほくほくのおじゃがは、白ワインにぴったり。定番だからこそ、新たな表情を魅せられるとドキッとしてしまいますね。

 

「気まぐれで限定メニューを作っているんです。今回のもなかなか好評なんですよ」と、おすすめされたのは「キッシュ」400円。

なかなか攻めてますね。

貝の旨汁がたっぷり、酒呑みのためにアレンジされたお手製キッシュは、あれよあれよとお酒が進むから不思議。可愛い見た目に反して、なかなかの風格です。

 

そしていよいよやってきましたよ、貝呑名物「活貝の蒸し焼きソテー」1,020円。

同じメニューでも、組み合わせ方で楽しみは無限大。貝の種類(この日は、アサリ・ムール貝・小ハマグリ)と、ソースのフレーバーや個数も選べるので、少しずつ違う貝や風味を味わうのもよさそうですね。

 

今回は定番、万人に愛される焦がしバターで。この文字面だけで、すでに涎が出そうです……。

香ばしさを放つシェルマウンテン。ぷりっと弾け、じゅわっと広がる贅沢な海のエキスにメロメロです。

 

豪快な風貌で現れた今宵のメインディッシュは、「アクアパッツア」1,080円。ドンと横たわる本日の魚は、イサキです。

まるっと一尾を焼き上げることによって仕上がる、ふわふわの身。そこから溢れでる、汁の旨味。魚本来の持ち味と貝の風味が溶け合い、お口の中はおいしいの大洪水で大変です。

この贅沢が野口さん一枚(プラス消費税)で引き換えられるのか……。(ありがとうございます)

 

そしてシメは、「これを食べるためだけに来たい!」と渇望するファンも多いという「リゾット」で。こちらは「活貝の蒸し焼きソテー」の追加オプションとして、プラス300円で、残った貝汁が魅惑的なリゾットに大変身するのです。

あぁ、なんだこれは。すでにバチバチに仕上がった貝汁に、絡めたソース、米。美味しくないはずがない、というかずるいほどにおいしい! 多くのお客さんのハートを掴むのも納得です。

 

新鮮な海の幸を、近しい距離感で体感できる場所。神田で海鮮が恋しくなったらまた来よう。ご馳走様でした。

 

※価格はすべて税抜、仕入れ状況により若干の変動の可能性あり

文:村田倫子