【噂の新店】「PORTE BOUCHE (ポルトブッシュ)」
よりコンパクトに、よりシンプルに
大阪・本町。1997年の開業以来、クラシックフレンチの名店として愛された「カランドリエ」が2026年3月に閉店。その同じ場所に、7月、「PORTE BOUCHE(ポルトブッシュ)」がオープンした。屋号やスタイルを変えたのは、これからの10年を続けるための選択だったとオーナーシェフの門口良三さんは話す。

門口さんは昨年還暦を迎えた。「あと10年くらいかな、体が動く限りは店を続けたい」と、店を一新することを決意。席数を30席から10席へ、スタッフの数を減らし、時間と空間を自分の心地よいペースにすることに。新しい店は厨房環境も一新し、「昔は夏になると汗だくでしたが、今は寒いくらい」と笑う。「体力的には大変ですが、ストレスを解放し、続けられる店となりましたよ」

内装もすべて刷新。玄関にある大理石や御影石から奥へと流れるように続くイメージで、色調も変わった。グレーブルーを基調としたシックな空間で凛とした静けさが漂う。新しい屋号「PORTE BOUCHE」は、カランドリエ開業時にも候補にあったとのこと。苗字の「門口」をフランス語にしたものだ。


いただける料理はこちら!
「料理は今までと同じ。季節のものを、変わらず、丁寧にお出しします」と話す門口さん。昼夜ともにおまかせ一本で、ランチ12,000円、ディナー20,000円(税込・サービス料10%別)。デザートの選択をなくすなど、コースの流れをよりシンプルにした。
今回は夜のコースから3品を紹介する。
まずは、野菜の鮮やかさとオマール海老の甘みが印象的な前菜から。マヨネーズ風味とバジルの2種のソースで。

メインは門口さんのスペシャリテ「仔鳩のパートフィロ包み焼き」。事前予約が必要だが、新店でも受け継がれている。仔鳩のもも肉や肝などのミンチ、胸肉やフォアグラを、ちりめんキャベツ、パートフィロで包み、うまみを閉じ込めて焼き上げた逸品。骨と赤ワインなどで作るソースが、この料理の深みを決める。

デザートは、ココナッツとキャラメルのムース、メロンのシャーベット、プリン。「定番にしようと考えています」という土佐ジローの卵のプリンは、コクのある黄身の味がダイレクトに伝わる。

レストランを続けるということ
「レストランを、できるなら無理をしてでも続けていく」。その言葉は、長らく大阪のフレンチを牽引し、レストラン文化を守り続けてきた料理人だからこその重みがある。新しい店になってからも、「より素敵になりました」「また来ます」との声が多く届いているそう。若い人には“人生初のフレンチ”として、食べ慣れた人には記念日や特別な日に家族と訪れてほしい。そんな思いを込めて、門口さんは再び歩きはじめた。



