【噂の新店】福島 こと

受賞歴多々の名料理人が満を持して独立

梅田駅と福島駅の間、大阪・大淀エリアに、中国料理店がオープンした。大通りから一本入った住宅街にあり、「こと」と書かれた表札が目印のシンプルな外観だ。最近、グルメな人たちから「もう行った?」「予約したの?」との噂にのぼる一軒である。

JR大阪環状線福島駅から徒歩12分程度のところにある
ライブ感たっぷりなカウンター席
6席までの半個室
 

門上さん

以前、シェフの古藤さんは、大阪商工会議所主催の料理コンテスト・都・大阪グランプリで最優秀賞を受賞。そのとき、審査委員長を務めており、記憶に残っていた料理人です。その人の独立という情報を友人から聞き、訪れました。

店主は1978年生まれ、大阪・堺出身の古藤和豊さん。「料理の鉄人」を見て陳建一氏に憧れ、料理人の道へ。大阪調理製菓専門学校卒業後、ホテルプラザ「翠園」に入社。その後、中国・深州にて研修を重ねた。帰国後、ハイアットリージェンシー大阪「天空」にて4年間経験を積み、2011年、大阪・江坂「翠園」へ。2016年には料理長に就任し8年間務めたという輝かしい経歴の持ち主だ。食の都・大阪グランプリ最優秀賞(2014年)など受賞歴も多々あり、2025年6月に満を持して独立した。

店主の古藤和豊さん。「ジョブチューン」などTV出演も

自分の店をオープンするに際し、賑やかな駅周辺からは少し離れており、わざわざ来ていただく場所を選択。店はオープンキッチンで、客の様子を見て会話しながら料理を出すスタイルにした。料理は、コース1本で、焼物、点心、活けものをシンプルに調理した海鮮など広東料理を主軸としたという。

そして、料理への思いを店名に込めた。「こと」は苗字の古藤という音からの意味もあるが、「こと」は漢字で異、言、理と表現できる。「異」は違いがあること、「言」はすべてにおいて言語化して説明ができること、「理」は料理にはことわりがあること。つまり、「異なることはするが、理にかなっていることをしたい。古典をひもといて再現したりあきらかな創作をしたりするのではなく、誰もが知っている、ここでしかないもので勝負します!」と古藤さんは話す。

熱い思いが込められた店名
 

門上さん

カウンター内での躍動感ある動きと出来立ての味わいが魅力です。