食通が毎年の発売を楽しみにする、食のガイドブック『東京最高のレストラン』。創刊から編集長を務める大木淳夫さんが、今年10月に自身初の著作『50歳からの美食入門』を上梓しました。「レストランで食事することを通して、人間力を上げ、残りの人生をもっと楽しくしよう」という大木さんの思いと、外食を楽しむコツが散りばめられた一冊です。発売されると、想像していた同世代からの反響はもちろん、「これは今の若い人にもぜひ読んでほしい内容だ」という感想が多く寄せられたそう。

その大木さんに、レストランを楽しむ極意5つと、それぞれのシチュエーションにぴったりなお店を教えていただきました!

1. ひとり飲みを楽しみましょう

ひとり飲みで大事なのは楽しもうという心です。満面の笑みで「こんばんは」とお店に入りましょう。まず飲み物を頼んだら、ゆっくりとメニューを眺めてください。「こちらの名物はなんですか?」など、お店との会話も大事です。「おいしかった」の一言も忘れずに。もし気に入ったら、できるだけ間を空けずに2度目の訪問をしましょう。

ひとり飲みにおすすめ
「五月四日」(用賀)

祐天寺マン
目白の海老カツ   出典:祐天寺マンさん

赤坂の名居酒屋「まるしげ夢葉家」で12年間修業した与那覇朝雄さんの独立店。その軽やかな接客と豊富すぎる上に勘どころを押さえたメニュー、おいしそうな銘柄が並ぶ日本酒など、ひとりで訪れてもカウンターで夢のような時間を過ごせます。季節ごとに種類が変わるなめろうや、「目白旬香亭」古賀達彦シェフ直伝の「目白の海老カツ」は必食です。

2. サービスの楽しさも味わいましょう

お店の印象はサービススタッフ次第だったりします。ただ、大事なのは受け身になりすぎないこと。レストランの楽しさはお店とお客さんが一緒に作っていくものです。積極的に会話をしてみましょう。きっと驚くほど楽しい時間を過ごせると思います。とはいえ、友達ではないのでタメ口などは止めましょう。

サービスの楽しさを味わえるお店
「ロッツォシチリア」(白金高輪)

みるみんく
鰯とウイキョウのスパゲティ   出典:みるみんくさん

仲間とガッツリ食べても、2軒目にふらりと寄ってカウンターでグラスを傾けてもOKな、まさに東京を代表するイタリアンです。オーナーである中村嘉倫シェフの料理と阿部努さんのサービスにつられて、立場や年齢を問わず、多くのレストラン好きがフラットに集まり、店内はいつも心地よい喧騒に包まれています。最後にはぜひ「阿部汁」をグッと。