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連載「今週のカレー」でお馴染み、カレーおじさん \(^o^)/のカレーな1カ月を振り返りつつ、翌月のカレーに備えようというこの企画。7月に出会ったのはどんなカレー?
【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレー】7月を振り返る
梅雨も早々に明けて酷暑の夏。カレー食べないとやっていられません。今月は人気店の間借りチャレンジ、居酒屋の本気カレー、福岡のカレーシーンの盛り上がり、カフェの本気カレーをご紹介しました。カレー専門店以外でも本気のスパイスカレーを出すお店が増えてきていますし、大阪、東京のみならず、カレーの盛り上がりは福岡でも相当なものとなっています。まだまだ暑くなりそうな今年の夏。色々なカレーを食べて乗り切りましょう!
【第1週のカレー】「カリガリ 間借りカレー」
銀座の老舗クラブの裏メニューとして人気だったココナッツカレーを広めるために、渋谷の小さなお店からスタートしたカリガリ。現在は秋葉原と丸の内に店舗を持ち、アイドルや声優とのコラボを行ったり、堀江貴文氏とのコラボレトルトを販売したり、音楽フェスを行ったりもしている超個性派カレー店です。何しろスローガンが「文化、建設中」なのです。そんなカリガリが、間借りカレーを始めました。
店舗入り口
間借りカレーは開業リスクが少ないこともあり、実店舗開店の準備としてまずこの業態からスタートするお店も増えてきています。しかし、既に実店舗を持つ人気店が何故今間借りなのか。これには同店社長である二木さんの目論む「働き方改革」が関わってきます。
人前に立つことを本業としている人にとって、“良いアルバイトを探す”のは難しいことです。しかし一方で、そのような人たちにはファンがいるので、お店を開けばファンが来てくれます。それに適しているのが間借りカレーというスタイルではないかと、「カリガリのカレーで働き方に悩んでいるアーティストの活路を開きたい」と、二木さんは仰っています。実は、二木さんご自身も元バンドマン。だからこその想いがあるのでしょう。その手始めに、まずはご自身が間借りカレーをスタートし、ノウハウが分かったところで働き方に悩むアーティスト達にもカリガリの間借りカレーをやってもらおうという壮大な計画です。
「アキバ盛りカレー2」
そんなカリガリの間借りカレーのメインに持ってきたのが、この為に考案されたアキバ盛りカレー2。既に秋葉原店では人気メニューとなっているカレーです。魯肉あいがけ、副菜、カスリメティなど、今のカレーのトレンドを思いっきりぶっ込んだスタイルでありながら、ただのインスパイアではなく、オリジナルの美味しさになっているのは、やはりメインとなるカリガリカレーの個性と力。ココナッツカレーでありながら他にない個性と、何と合わせても美味しくなる包容力があるんです。改めて凄いカレーです。このカレーなら働き方改革の実現も夢ではありません。
そして、既にカリガリのSNSではその日の売上報告も連日発表していて目が離せません。期待しつつ、応援していきたいです。カレーは既に文化ですからね。
【第2週のカレー】「濱松屋」
埼玉県は和光市駅の文字通り駅前に「濱松屋」という居酒屋があります。一見ごく普通の居酒屋なのですが、毎月第一土曜日に本気のビリヤニを出すという噂を聞きつけ、行ってきました。こちらのビリヤニは月一限定メニューであり、現在はレギュラーメニューにカレーは無いとのことでしたが、予約の際にダメ元で「もし他にカレー的なものがあったら嬉しいです」と伝えておいての訪問。
「メカジキとズッキーニの冷製カレー」
カレーが出てきました。まずはメカジキとズッキーニの冷製カレー。インド東部に位置するベンガル地方の料理にも近いテイストで、夏のおつまみとして最高です。
「牛すじとトリッパのカレー」
続いて「牛すじとトリッパのカレー」。牛すじはサラっとしたスープ状で、とにかくだしの旨味が深い。それに切れ味ある辛さが加わり、味の輪郭が際立ちます。
「グリーンカレー」
さらに「グリーンカレー」。こちらはタイ料理なのですが、ペーストから手作り。今どきタイ料理専門店でもそこまでやっているお店は少ないですよ。それなのに普通の居酒屋でそこまでやる? しかも美味しい! どういうこと!?
「マトンキーマビリヤニ」
混乱しているところに畳みかけるように「ビリヤニ」。マトンキーマのビリヤニだったのですが、キーマといっても挽肉ではなく、包丁で叩いているという手間暇のかけかた。そして、だからこその美味しさ。凄すぎる!
こんな居酒屋他にありません。とにかく料理に対しての愛と熱意が凄い。そしてそれがちゃんと味に反映されているんですから。予約せずとも毎月第一土曜は昼夜共にビリヤニがいただけるようなので、まずはその日に行ってみて、気に入ったら予約して、一期一会なカレーという流れが良さそうですね。
【第3週のカレー】「moritoneri(モリトネリ)」
福岡に行く度に確実に行くお店があります。カレー屋ではなく、チャイの専門店「chai tea heron(チャイティーヘロン)」がそれです。
「カカオバナナチャイスムージー」
そのheronのオーナー竹井さんは、元々うきは市でカレー専門店「moritoneri」をやっていた方。そして、そのmoritoneriが2年の時を経て遂に、福岡・六本松に移転オープンしました!
「ワイルドチョップポークカレー」
リバーワイルドハムファクトリーのスペアリブを使用したワイルドチョップポークカレーは、グレイビーと肉の二層に分かれており、全体を叩いて骨はスープに、肉は食べるように使い分けます。グレイビーには肉の旨味と甘味が行きわたり、軟骨のコリっとした部分の食感も楽しくて芳醇な旨味。そしてこの肉の部分とグレイビーの塩気が違うのがまた面白いです。混ぜながらちょうど良くなっていきます。
副菜も色々と凝っているのですが、特筆すべきはマッシュルームの奈良漬け。食感的にも味的にも、このカレーに実によくあっています。食用菊をあしらって見た目も美しいです。
福岡はカレーが盛り上がってきています。先日行われた「Spicy Journey」という音楽とカレーのイベントも大盛況で500人以上のカレーファンが集まりました。そんな福岡において、さらなる盛り上がりのカギとなっていきそうなmoritoneriとchai tea heron。どちらも注目のお店です。
【第4週のカレー】「UUTO Cafe(ウウト・カフェ)」
ここ数年でカレー専門店の数は右肩上がりに増えています。そして同様に、あまり気づかれてはいないのですが、カレー専門店ではないお店が専門店に負けないカレーを出すパターンというのも増えてきているんです。今回はカフェでありながら専門店に負けないカレーを出すお店、浅草の「ウウトカフェ」をご紹介しましょう。
「ビリヤニ」
僕がここに出会ったのは、「浅夜市夜」というイベントでした。浅草の飲食店が共同で開催しているイベントで、ある月のテーマがカレーだったんです。その時に本格的なビリヤニを出していて、それが実に美味しくて。通常メニューは基本的に日替わりでビリヤニは無いのですが、カレーが出ることもあります。
「チキンカレー」
「グリーンカレー(単品)」580円、「ライス」200円
チキンカレーは玉葱とスパイスで作ったインド式が基本なのですが、純インドカレーというわけではなく、時間をかけて仕込んだからこその濃厚な美味しさ。グリーンカレーは、あえて辛さと香りを少な目にすることにより、クリーミーでマイルドな美味しさになっています。
カレーが無いことも多々あります。ですから、カレーがあればラッキーというくらいの気持ちで行ってみてください。もし無くてもマスターに今日のおすすめを聞けば、確実に美味しい食べ物にありつけますから!
取材・文:カレーおじさん \(^o^)/