【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#230】「そばと肴 禅」

京王よみうりランド駅近くにあった「手打蕎麦 はしば」のシェフが独立し、2025年5月5日、調布に「そばと肴 禅」をオープンさせました。

2025年5月5日、調布にオープンした「そばと肴 禅」

オープンからしばらくは店名の通り、そばと王道の酒肴で営業していましたが、夏の季節となり遂に僕の大好きなカレー系そばもスタートしました。

店内のカウンター席
テーブル席も完備

そば通の中には「カレーそばは、そばの香りが消されるから邪道」と語る方も少なからずいますが、こちらはそば自体もスパイスのひとつとしてとらえ、その香りも含めて全体の味を設計しているお店なので、邪道と思っている方にこそここのカレー系そばを食べてほしいです。

「おから」

そば前にシェフおすすめの「おから」500円を頼んでみると、だしガラのうまみがしっかりと感じられ、ミョウガがのり爽やかで個性あるおいしさで早速素晴らしい。

カレー系そばは2種ありました。

「ハモと夏野菜のラッサム蕎麦」

まずは「ハモと夏野菜のラッサム蕎麦」1,800円。ラッサムとは南インド料理の酸味と辛味が特徴のカレースープ的な料理なのですが、冷製のラッサムにラタトゥイユ的な夏野菜とハモの天ぷらがのるという独創的すぎる冷やしそば。ハモ天もラタトゥイユもそれぞれおいしく、一緒に食べてさらにおいしい。

味変には、ライタを彷彿とさせるバジルソースをかけて召し上がれ!

味変用のバジルソースもあるのですが、これもインド料理のライタ(ヨーグルトのサラダ)をイメージさせつつ、バジルでイタリアの風が吹きます。このさまざまな国の料理のテイストが混ざり合う中で、香りの良い朝天唐辛子がビシッと味を引き締めるという設計。

そばの割合は、そば粉10:つなぎ1の外一

カオスなようでいて紛れもなくそばが主役であり、このそばがラッサムにもラタトゥイユにも負けない香りと喉越し。そばは自家製粉した十割のそば粉につなぎを一割入れた「外一」だからこそでしょう。

「豚バラとあずきのポークビンダルつけそば」

「豚バラとあずきのポークビンダルつけそば」1,800円も面白さとおいしさの共存が光る一品。ポークビンダルとはインド南西部ゴア地方の郷土料理で、酸味と辛味が特徴のカレー。

温・冷で異なるスパイス×そばの風味を堪能したい

酸味と辛味というと先述したラッサムも同じなのですが、ベクトルの違う酸味であり辛味なので食べ比べるのも楽しいです。和風ポークビンダルーとも言えるつけ汁は温かく、冷製のラッサム蕎麦との対比もよく考えられていると感じました。

「ミニ鶏キーマ丼」

さらには「ミニ鶏キーマ丼」600円も。こちらはそばに合わせるミニカレー的な立ち位置なのですが、しっかりスパイシーでありながら、カツオ、昆布、椎茸のだしと隠し味に味噌でご飯と合うように設計されたもの。出汁キーマ的な趣もあり、これだけでもカレー専門店に負けないおいしさで「流石!」とうなりました。

鶏キーマ丼は、そば飲みの〆にも最適!

スパイス系のそばは9月頃まで提供予定。具材や内容はその時期によって変わる場合もあるとのことですが、スパイスそばが無くともおからはじめ、さまざまな酒肴や鶏キーマ丼があるだけでも行く価値のあるお店です。いや、やはりこの唯一無二のスパイスそばを味わうべきなので、まずは夏のうちに行くことをおすすめします。

そばはもちろん手打ちです

そば好きもスパイス好きも酒好きも楽しめるお店。どれも好きなら虜になることうけあいの新店です!

※価格はすべて税込

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部

撮影:カレーおじさん