必ず頼んでほしいメニューとは?

最近は、海外からの客も多く訪れるという同店。まず、何を注文すべきか悩むところだが、迷ったらまずは温と冷を選ぶことができるぶっかけがおすすめ。

推薦人の山本さんが「うどんもおいしいのですが、お出汁のすっきりとした旨みも身に染みます」と言うように、昆布や数種類の魚節を使った出汁のファンも多い。ぶっかけやかけうどんで、それぞれかえしや配合を変えて味の濃さを調整しており、それもまた「毎日でも食べ飽きない」と思わせる理由だ。

「ぶっかけ」830円。うどんと出汁の風味をストレートに。つややかな麺の美しさにも食欲がそそられる
 

山本さん

いりこと昆布のお出汁がこれまたおいしい。うどんとのバランスが良く、麺を噛みしめたときの甘みと重なり合います。

東京の水質に合わせて本店とは小麦の配合を変えるなど、工夫を重ねてうどんのおいしさを追求

リピーターの心を掴んでいるラインアップも気になるところ。基本的には本店と同じメニューを揃えているが、青山の店で開発され、本店でも提供されるようになったのが「ほるうどん」だ。脂つきがよい新鮮なシマチョウと、肉うどんに用いる肉を炊いた出汁ににんにくを合わせたスープがスタミナ補給にぴったり。ホルモン鍋の〆にうどんを入れて食べるイメージで考案されたというエピソードにも納得の、クセになる味だ。

「ほるうどん」1,300円。ホルモンダブルは+500円。まずはそのままスープの味を楽しんでから別添えの辛み味噌を加えて食べるのもおすすめ!
 

山本さん

少し疲れ気味のときなど、無性にほるうどんが恋しくなります。麺とスープの相性が抜群で、食べ終わる頃にはすっかり元気に。

天ぷらも常時9種前後用意。1つ180円から。うどんにトッピングしても、もちろんそのまま食べるもよし

昔から変わらないうどん店の“ファスト”な感覚を残しながらも、素材を吟味し、うどんのおいしさを幅広い世代に広めるために。さくさくと軽やかな衣をまとった天ぷらをトッピングして、ちょっと贅沢な気分を楽しむなど、進化する“日本のソウルフード”には、空腹を満たすだけではない魅力がある。

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※価格はすべて税込。

撮影:山田大輔
文:小寺慶子、食べログマガジン編集部