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食通が見いだした、今月の新店
新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらわからない!」という人も多いのではないでしょうか。そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、食関連の番組を数多く手がける放送作家の塩沢航さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
塩沢 航
小山薫堂事務所「N35」の放送作家。1975年生まれ。師匠・小山薫堂の一番弟子にして、師匠譲りのグルメ作家としておなじみ。主な担当番組は「アナザースカイ」「オモウマい店」「有吉くんの正直さんぽ」など。「パレ・ド・Z」「リモートシェフ」など食にまつわるコンテンツも多数担当している。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A.「MIMOSA」(ウイングヒルズ白鳥リゾート内)です
近年、一部のゴルフ場がトップシェフとのコラボメニューを打ち出し、顧客満足度が爆上がりしているという。そしてスキー場もまた、生き残りをかけ、メニュー改革に本腰を入れはじめた。その先陣を切ったのが岐阜県・奥美濃の「ウイングヒルズ白鳥リゾート」だ。
今シーズン、東京南青山の人気店「MIMOSA」の南俊郎シェフを迎え、ポップアップレストランをオープンさせた。「おいしいスキー場」爆誕である。
Q.「MIMOSA」でおすすめしたいメニューを教えてください
A.「麻婆豆腐」です
目玉となるメニューは、麻婆豆腐。これまでなら、ファミリー層に向けて辛さを抑えるところ、今回は花椒を利かせ、香り高く心地よい痺れと辛みを楽しめる、大人の麻婆豆腐に仕上げた。ご飯とスープが付いて1,500円は、かなりのお値打ち。プラス400円で焼売を付ければお腹も大満足。大ぶりで、噛みしめるほどに肉汁があふれ出す。
スキー場へは、例えば名古屋からだと車で1時間半から2時間ぐらい。その帰りに楽しんでもらおうと、テイクアウトメニューも充実させたそうだ。
まずは、台湾名物の唐揚げ=ジーパイ。大人の手のひらぐらいの特大サイズなのに、まるで重さを感じさせず、気が付くと食べ終わっている(2人でシェアがオススメ)。肉まんも割ればわかる、肉がギッシリ。これも皮がふわっふわなので、あっという間。
ガッツリ行きたい人は、甘辛な中国醤油で味付けした焼きそばもいい。具は少量のもやしとネギだけ。シンプルなのに、奥深い味わいで、箸が止まらなくなる。熱々の中華風コーンスープとゲレンデに連れ出せば、白銀の世界で「MIMOSA」の料理を楽しめる。滑りを楽しんだその後は、ほのかに甘く、香りがよい、ウーロンミルクティーで喉を潤す。ホットもうまいが、アイスが最高。
極端な話、スキー、スノボーができなくても「MIMOSA」の料理を食べるためだけに足を運ぶ価値がある。「ウイングヒルズ」の大成功を受け、他のスキー場も遅かれ早かれ追従すること必至。カレーとラーメン一辺倒だったスキー場グルメが、シェフの参入により、どう進化していくのか。どんな名物が生まれるのか。これから目が離せない。
※価格は税込です