豚の概念が変わるホルモンはまだ続く

ここでしか食べられない、豚ホルモンの概念が変わってしまうほどの、新鮮かつ希少な部位のホルモンは、まだまだ続く。

ガツ

「ガツ」650円
サッと炙ってひっくり返すように焼きたい、ガツ。反りかえってきたらまたひっくり返して、よく焼きを。満遍なく焼けるように、クルクルとひっくり返し焼きを繰り返すのがおいしく焼くコツ

上カシラ

「上カシラ」800円
上カシラは、ほっぺた部の頭の筋肉。よく動く部位だからこそ、さっぱりしていて柔らかいのが特徴。塩コショウ、胡麻油のシンプルな味付けが、肉とベストマッチ

シロ

「シロ」650円
小池さん的に“ホルモンと言えばシロ!”というほど、甘いぷるんぷるんの脂を楽しむ部位。タレにたっぷりと浸したシロを、焼いて、ひっくり返す時にまたタレをつけて焼くのが、小池流つけ焼き。ゆっくりじっくり脂に火を通して、たまに立てたりしながら、じっくりとジュージュー音が鳴るまで、しっかりめに焼きたい
 

小池さん

僕は普段牛ばかり食べているのですが、今日ばかりは、最高の豚に酔いしれます。どれもピカピカで艶も鮮度も桁違い! ガツはイカみたいですがイカより旨い(笑)! 歯切れがよく、部位ごとに異なる食感を楽しめるのも、ホルモンならではの楽しみ方。上カシラは、ひと噛みごとに旨みがじゅるっと溢れ出てくる味わいが、堪りません。シロは腸のため、本来なら臭みが一番出やすい部位ですが、最高峰クラスの品質と高い技術の処理のおかげで、嫌な味わいがひとつもない。上品な後味のよさが、別格の味わいを物語っています。

〆のラーメンも秀逸

「天城黒豚テールラーメン」(4,800円コースのみのメニュー)

「飯田商店」を筆頭に、人気必至のラーメン店のスープや焼豚に指名されている天城黒豚。豚足や尻尾、豚骨まで余すところなくおいしい出汁が取れるため、テールラーメンはぜひ〆に味わいたい逸品。「このクオリティの高いスープなら!」と、相模原「中村麺三郎商店」の細麺を特別に卸してもらうことに成功し完成した、夢のような一杯。具材はねぎだけというシンプルさが、素材を味わうのに相応しい。

 

小池さん

とんでもない豚のテールを隅々まで使用して出汁を取ったら、おいしくないわけがない! 喉通りもぷるっとよくて、濃厚でいてしつこくない、上品な脂の質と旨みが違います。〆にぴったりなミニサイズなのもいい。口の中も胃袋も潤って満たされ、幸せな気持ちになります。

天城黒豚への真摯な向き合い方、おいしい豚を作り上げる苦労に、深く感銘を受ける小池さん。食べた方に「本当においしかった」と声を掛けられるのが、一番の活力になる瞬間だと金子さんは語る

これまでの豚肉の概念が大きく変わる体験ができる「天城黒豚」のホルモン焼肉。小池さんが漏らした「豚ってこんなにおいしかったんだ」という言葉に、すべてが詰まっている。「豚なのにとはもう言えなくなる、牛に劣らず負けない別格の豚」が、ここには存在しているのだ。橋本まで足を運ぶ価値のある予約困難予備軍の店に、豚ホルモンの真髄を味わいに訪れてみてはいかがだろうか?

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格はすべて税込

文:濱口眞夕子(SEASTARS Inc.)、食べログマガジン編集部 撮影:片桐圭