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〈食通が占う、2025流行る店〉
パリオリンピックの開催もあった2024年。さまざまな国の食事情や食品ロスについて、目を向ける機会にもなったのではないでしょうか。新たな食体験に感謝しながらできることを続けていく、2025年もそんな優しい社会になりますように!
そんな願いも込め、グルメ情報を熟知した有識者にアンケートを実施。2025年注目の「ブレイクしそうな店」「3,000円以下のお手軽グルメ」をうかがいました。
今回は、年間100店以上の焼肉店に通う焼肉作家、小関尚紀さんにお答えいただきました。
教えてくれる人
小関尚紀
焼肉作家。通称:YAKINIQ。お肉博士1級。MBA(経営学修士)。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組 BS朝日『美女と焼肉』(2022年3月終了)の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA)、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)。
2025年のブレイク予想
Q. 2025年に〈ブレイクしそうな飲食店〉はどこですか?
A. 「焼肉たぬき」です
2025年は上質な焼肉 × ほにゃららが流行る?
タレ全盛の下町焼肉が流行っている昨今。2025年は、かつての“サーフ・アンド・ターフ”、肉×海のご馳走のように、掛け合わせが流行るでしょう。そのほにゃららの正体は「居酒屋」。ゴリゴリのザ・焼肉メニューだけでなく、カジュアルに居酒屋感覚で楽しめる店が流行すると考えています。ただのカジュアルだけではなく「2024年流行る店」で予測した通り、上質な肉を提供できるというのがポイントです。下町焼肉の流行りで焼肉を食べる層は確実に広がりましたが、その結果、下町焼肉の人気店は予約困難になってきました。広がった層を迎え入れるのは、カジュアルで予約が取れ、ゴリゴリの焼肉店メニュー以外も楽しめる居酒屋感覚の焼肉店でしょう。
そういう意味では、幡ヶ谷の「焼肉たぬき」は駅近で、カジュアルな居酒屋焼肉と言ってもいいでしょう。2024年10月にオープンしたばかりですが、上質な内臓は芝浦の「嵯峨正造商店」などからの仕入れ。メニューは意外な組み合わせの「アボカドキムチ」、ピリッと辛いアクセントと濃密でとろみのある組み合わせの「青唐つけ冷麺」、梅の酸味が利いている「梅葱サラダ」、特製の酢ダレと食べる塩系のホルモンなどカジュアルメニューが多数。〆は本格的な「もつ煮ベースのスリランカカレー」で、ホルモンと相性抜群の芳醇なスパイスの香りが口の中で広がりまくりです。焼肉店の〆メニューとしてカレーは一般的ですが、スパイス香る本格派は珍しい。流行らない理由が見つかりません。