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〈2024 食通が惚れた店〉
みんなが再び日常的に外食を楽しめるようになった2024年。インバウンドの盛り上がりもあり、飲食業界も新しいチャレンジに目を向けた一年だったのではないでしょうか。
そんな2024年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」をうかがいました。
今回は、食べログ グルメ著名人の門上武司さんにお答えいただきます。
教えてくれる人

門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。
2024年のベストレストラン
Q. 2024年、最も印象に残った店の一品を教えてください
A. 「明寂」の「クエと舞茸のお椀」です

椀の蓋を開けた瞬間に立ち上る舞茸の香りにくらくらする。出汁を味わうとクエと舞茸のうまみが渾然一体となって口中を覆い尽くし、鼻に華麗な香りが抜けてゆく。薄切りの舞茸の食感、クエの味わいの濃密なこと。出汁は海水と水と素材だけということに感銘を受けた。

アンダー3,000円のお手軽グルメ
Q. 2024年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください
A. 「洋食おがた」の「ポークジンジャー」2,990円です

生姜焼きのイメージを変えるスタイル。まず豚は「サカエヤ」が手当てをした「走る豚」を使う。これをまさに豚のステーキのように分厚く切り火入れ、そこに自家製の生姜焼きのタレを絡める。豚肉の上質な脂身のうまさ、噛んでゆくと甘みが生まれ、そこに生姜の酸味などが加わり、ご飯を呼んでしまう。
※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。
文:門上武司、食べログマガジン編集部