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今回、料理はすべてコース(16,500円)から紹介する。

必ず味わいたい、前菜のフォアグラのボンボンショコラ。「アラメダ」のスペシャリテを再構築。甘口ワインに漬けこんだフォアグラを、生クリームや砂糖を加えて炊きあげた。チョコレートでコーティングし、塩をトッピング。

フォアグラのボンボンショコラ。フォアグラの風味が巧みに引き出されている、まさに大人な、冷たいアイス“ピノ”
 

門上さん

フォアグラとショコラ、異なる甘みとコクのハーモニーが素敵。

カボチャのクリームはバスク地方の伝統的な料理。カボチャ、ニンジン、ジャガイモ、ポロネギを煮込んだクリームに、豚の血と米を使ったブルゴス風モルシージャをトッピング。モルシージャ(豚の血入りブラッドソーセージ)はカットしたのち、卵液にくぐらせて香ばしく揚げ焼きしている。リンゴのコンポートやバスク唐辛子のピクルスをトッピングしてアクセントに。

カボチャのクリーム。バスクではおなじみの野菜クリームをブラッシュアップ。モルシージャのコク、リンゴの甘み、唐辛子の辛みが、絶妙のバランスでカボチャのクリームと絡み合う
 

門上さん

カボチャの甘みと豚の血の味わいが見事にマッチしています。

いよいよ、メインの肉の登場! 取材時は1.2㎏のリブロースを40分かけて、山本さんに焼いていただいた。

鹿児島県産交雑種、1.2㎏のリブロース

薪と炭をうまく組み合わせ、熱源として使用。仕上げにはブドウの枝を加え、フルーティーな香りを加味していく。

食欲をそそる、豪快に塊肉が焼けていくさま
ときには木製のふいごを使って、温度をコントロール
牛肉の薪焼き。リブキャップ、リブフィンガーなど4つの部位を味わえる。より肉の香りを楽しめるように、ソースはなく、塩のみでいただく。表面のクリスピーさ、内面のジューシーさ、豊かな肉の香りがたまらない
 

門上さん

塊で焼く牛肉のうまさを体感できます。まずは塩だけでがっつり食べるのがおすすめ。

こちらも必食のバスクチーズケーキ。「ミルキーさや塩味のバランスがポイント。表面を焼くなどして、飽きさせない味わいに仕上げています」(山本さん)

バスクチーズケーキ。頬張ると口の中でとろけ、表面の苦みや、生地のミルキーさが広がっていく。もう一口、もう一口!となるおいしさ
 

門上さん

口中でのほどけ具合が見事です。

バスク料理をフォーカスさせたい

関西を代表するスペイン料理店のトップランナーとして、日本のみならず、海外でも積極的に活動し続ける山本さん。「アジアに需要があると感じているので、プロデュース的に携わっていくのも面白いかもしれません」と話す。「何よりバスク料理、スペイン料理がもっとフォーカスされるように、これからも変わらず尽力していきたいですね」。 また今後については「オープンして以来、さまざまなお客様のつながりを感じ、勉強させていただくことも多かったです。10年目を迎えるにあたって、これまで完全にひとりで調理していましたが、これからはチームを作ろうと考えていますよ」とも。山本さんの更なる進化にも目が離せない。

店名は、山本さんが暮らした街のお祭りの名前から。山本さんが外国人で初めてその祭りに参加したという
 

門上さん

山本さんがスペイン料理を愛しているという実直さが素晴らしいです!

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

撮影:東谷幸一
取材・文:木佐貫久代