これが「蕎麦 いのも」の「ひやむぎ」
茹で上がったひやむぎは、その透明感にまず見惚れてしまう。細麺ゆえ、できたてのおいしさを味わうにはスピード勝負! 提供されたらすぐにいただこう。
実は店でも提供しているうどんと工程は同じで、ひやむぎは切り幅を変えているだけだという。しかしながら、しっかりしたコシとつるりとしたのどごしの良さ、噛みしめるほどに口に広がる小麦の味わいは、これまで食べてきたどんな麺とも違う。
川口
ひやむぎの注意は、のんびり食べているとあっという間にこの最高の食感が失われてしまうこと! ぜひ茹でたて、できたてを、阿吽の呼吸でいただきましょう。
せっかくそば店なのだからそばも食べたい……そんな人はぜひ、ひやむぎとそばを合盛りしてくれる「むぎめおと」を頼んでみよう。
そばは十割そば。しかしこちらも非常にのどごしが良く、それでいてあえて粗めの粒を残すことで歯ごたえと香り高さが生まれている。まさに、自家製粉ならではの麺だ。ひやむぎと切り幅は一緒だというものの、素材が違うだけでこんなにも味わいが違うのか……と驚かされる。つゆは、そば用は濃口醤油を使ったきりっとした味わい、ひやむぎ用は薄口醤油を使い出汁を利かせたもの。その違いもまた楽しい。
開店から1年、常連にはひやむぎのファンが徐々に増えているという。ひやむぎというと夏のイメージがあるかもしれないが、冷たいそばと同様、通年いただくことができる。「そのうち、季節限定のメニューなども増やしていきたいですね」と井面さん。手打ちひやむぎの衝撃、ぜひ多くの人に体験して欲しい。