緑あふれる空間で、焼きたてのクレープを
南東の方向に大きな窓が並んで4つ。緑あふれる庭とひと続きになったような気持ちのいい空間で、リラックスした時間が過ごせる「moderato on the green」は、今年6月に「世田谷ガーデン倶楽部」内にオープンしたカフェだ。メニューから内装、庭に至るまで、全体のプロデュースを手がけたのは料理研究家の植松良枝さん。東急田園都市線・用賀駅から徒歩10分ほどの住宅街の中という「知る人ぞ知る」的な立地ながら、早くも人気を集めている。
メニューの柱となっているのは、クレープ。「クレープは、家ではなかなか作れないテクスチャーが魅力ですし、味つけの可能性が無限です。何より、焼きたてのおいしさを味わっていただけるのは外食の醍醐味!ということもあって、メニューの中心に据えました」と植松さん。魅力的なクレープのラインアップの中から、今回は3品をご紹介いただいた。
食感も魅力、おやつ系クレープ
スペイン・バスク地方産、アニャナの塩と国産レモンを使った「ソルティレモン」は、暑い季節にもぴったりのさわやかなおやつ系クレープ。焼き上げた生地にバターをのせてレモンの皮を削り、塩をぱらりとふりかけてテーブルへ運ばれる。味の仕上げは添えられたレモンで、食べる人が自分で搾って、好みの味に調整できる。
縁の部分にだけグラニュー糖をまぶした生地は、表面はパリパリ、中はもちもち、縁はジャリッ、と場所によって異なる食感が特徴で、食べ進めながらさまざまな表情が楽しめる。また、上にのせたバターは、生地に「塗る」というより一緒に「食べる」ためのもので、すぐに溶けてしまわないよう提供寸前までしっかり冷やしているのもポイントだ。
※2024年8月現在、国産レモンの端境期のため一時的に提供を停止中。初秋頃に再開予定。
「セイロンシナモンシュガー」は、シナモンと粉糖をまぶしたおやつ系クレープ。シナモンをたっぷり使っているため、生地にナイフを入れるたびに華やかな香りが立ちのぼり、何とも優雅な気分に満たされる。しっかりと硬いバターや、食感が楽しい生地は「ソルティレモン」と共通で、バターを小さく切って生地に包み、口に運ぶときの幸せといったら!