ワインとグラスの相性を探る。「リーデル銀座店」で体験できるサービスとは?

オーストリアのワイングラスカンパニー「リーデル」が、4月18日に国内12店舗目となる直営店を銀座にオープンした。同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと香りや味わいが変わるという事実に着目し、ブドウ品種ごとに理想的な形状を開発し続けるリーデル。銀座初出店となるこちらの直営店では、これまでにないユニークなアプローチでその魅力的な体験をお届けする。

世界でここだけ!銀座店限定の「フードペアリング・エクスペリエンス」

リーデル銀座店

 

数寄屋橋交差点からほど近い銀座6丁目に誕生した「リーデル銀座店」。ガラス張りの店内は、赤と黒のブランドカラーはそのままに、グレーのスレート床や、木目のワイン棚、天井の白く丸いパターンなどがプラスされ、スタイリッシュなだけでなく、どこか優しい印象も。これには、気軽に扉を開けて欲しいという思いが込められている。

銀座店で扱うグラスは、ハイクラスな8シリーズ(ハンドメイド4シリーズ、マシンメイド4シリーズ)を中心に、合計100種類以上。グラスはひとつひとつ独立した棚にディスプレイされ、それぞれにベストマッチなブドウ品種やワインタイプが記載されている。研ぎ澄まされた機能美を湛えたグラスが、最適なライティングによって漆黒の中に輪郭が映し出される光景は、さながらグラスのライブラリーのよう。

 

リーデルでは“同じワインでもグラスが変わると味わいが変わる”という事実を体験できる「グラステイスティング・セミナー」を、各直営店で実施している。今回、銀座店では新たに「フードペアリング・エクスペリエンス」(2,160円~)がスタート。精通したスタッフが、香りや味わい、フードとの合わせ方などを丁寧にレクチャーしてくれる。4~5月は、次の2つのメニューを展開。

シャンパーニュ=フルートグラスではない

バリックサーモン ションガオレンジ×パイパー・エドシック ロゼ・ソヴァージュ

 

1つ目のペアリングは、「バリックサーモン ションガオレンジ×パイパー・エドシック ロゼ・ソヴァージュ」。こちらに合わせて飲み比べるグラスは、〈ファット・ア・マーノ〉シリーズの「ブルゴーニュ・グラン・クリュ ツイスト ブラック&ホワイト」と、〈ヴィノム〉シリーズの「シャンパーニュ」。

 

シャンパーニュなので、フルートグラスを合わせがちだが、ピノ・ノワールを中心に作られている点で、前者がベストマッチ。アロマを開かせる大きなボウルとフレアした縁が特徴で、繊細できめ細かな泡が、優しく口の中に入ってくる。ねっとりとしたサーモンの甘みや添えられたオレンジの風味との相性も秀逸だ。ワインとフードは色で合わせるのもいいという。

ワインが舌の上を流れる角度で、味わいが一変!

ショコラブランブッセ 生ハムとイチゴのクルスティアン×イーラス エステート セレクション ピノ・ノワール2014

 

2つ目のペアリングは、「ショコラブランブッセ 生ハムとイチゴのクルスティアン×イーラス エステート セレクション ピノ・ノワール2014」。こちらに合わせて飲み比べるグラスは、〈リーデル・ヴェリタス〉シリーズの「オールドワールド・ピノ・ノワール」と、同シリーズの「オークド・シャルドネ」。

 

共に、ワイングラス作りの知識、経験、最新テクノロジーを結集したリーデル史上最軽量のクリスタル製マシンメイドグラスだが、やはりブドウの品種により、最適なグラスとそうでないものの味わいの感じ方は歴然。グラスの形状により変わる飲む際の口とグラスの角度が味の感じ方の違いとなるそう。

同じワインとフードでも、グラスが変わるとフードの味わいも変わるという事実は衝撃的だ。ワイン同様、合わせるフードのレベルの高さにも目を見張る。リーデルのスペシャリストによってメニュー開発がされているとのこと。丁寧な解説と共に、じっくりとテイスティングを楽しめる贅沢なひと時。多彩な知識を持ったスタッフに、ぜひ気軽に質問しながら楽しんでいただきたい。

 

「フードペアリング・エクスペリエンス」は、店内のカウンターで、予約なしでも随時体験することができる。ほかに、個性の異なる3種類の赤ワインと2種類の白ワイン、シャンパーニュ、スピリッツ、合計7種類の中から1つ選び、同じワイン/スピリッツを2種類のグラスで飲み比べる「シングル・グラステイスティング」(1,080円~)もぜひ。

ベストマッチなグラスとワインを探すためのシステムが充実

店内奥にはワインがずらりと並び、グラスとの相性を試すことができる。

 

店内奥には、300種類以上のワインをラインアップ。ワインをここまで多種多様に揃えて販売するのは、初の試みとなる。国内外のワイン関係者から常に高い評価を得ている「カーヴ・ド・リラックス」の姉妹店「THE CELLAR」の協力により、徹底管理された高品質のワインを提供。デイリーユースからハイエンドまで幅広く揃う。グラスもワインも販売しているので、こちら一軒で、ベストマッチなギフトを選ぶことができるのも有難い。

 

こちらで購入したワインをカウンターで抜栓すれば、店内すべてのグラスを試飲に利用できるのも嬉しいサービス。例えば、金沢で金箔加工を施した銀座店のオープンを記念した限定の「HAKU レッド&ゴールド」(54,000円)も試すことが可能だ。洋服を購入する時にじっくり試着するように、ワイングラスもしっかりその使い心地を試してから購入したい。

直感で選ぶから、いつもとは違う出会いが待っている

タッチパネル「グラスセレクター」

 

グラスとワインに精通した専門スタッフのほか、店内に設置された40インチのタッチパネル「グラスセレクター」でも、ワインとグラス双方向からナビゲート。リーデルの13シリーズ、計180種類以上のグラスを、230種類以上のブドウ品種、ワインタイプとのマッチングを直感的に検索することができる。グラスシリーズ、ブドウ品種、ワインのタイプの3つからアプローチでき、グラスとワインのマッチングが一目瞭然。

 

グラス、ワイン、どちらにも表示されている色違いのブドウのアイコンは、スパークリング1種、白ワイン2種、赤ワイン3種、スピリッツ1種の計7種類で、店内のグラスとワインの解説部分のアイコンとリンクしている。

 

今後は、有名シェフやワイン生産者をゲストに招いたセミナーも不定期で開催予定。ユニークなワインの楽しみ方を積極的に発信していく。多彩な魅力が詰まった「リーデル銀座店」の使い方は自由自在。初心者にも愛好家にもワンランク上の楽しみ方を提案する。ぜひ気軽に訪れ、自分らしいスタイルで利用してもらいたい。

 

※すべて税込価格

 

取材・文:外川ゆい
写真:松園多聞