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新子の季節がはじまりました
食通をはじめ、寿司好きの間で初夏の楽しみといえば「新子」。初物の「新子」の握り寿司を味わうことができる時期は限られるのだから、この時期を逃すのはもったいない! でも高級なネタだけに提供する店も多くはないらしい⁈ 今回は、グルメライターの武智新平さんに、初心者さんでも気軽に入りやすい、町のお寿司屋さんで「新子」を味わえる店を教えてもらいました。この夏「新子」の魅力にハマってみては?
教えてくれる人
武智 新平
1970年生まれ。食雑誌をメインにフリーの編集&ライターとして活動中。食事では寿司、そば、カレー、洋食全般など、お酒は特に日本酒が好きで、仕事でもそれらを担当することが多い。一見でも心地よく、かつリーズナブルに楽しめる店を中心に紹介していきたい。
その前に……新子とは?
新子とは、成長するにつれて名前が変わる、いわゆる「出世魚」の一種で、コノシロという魚の稚魚。新子→小肌→ナカズミ→コノシロと呼び名が変わり、生後4カ月くらい、体長は10cm以下(だいたい4〜7cmくらい)のものを新子といいます。コノシロと聞いてもピンとこないかもしれませんが、小肌であれば食べたこと・聞いたことがあるのでは?
新子の身質はとにかくやわらか。切れ味の良い包丁で捌かなければ、身を傷めてしまうそう。そして、とても小さいので捌くにも技術がいり、1尾ではネタにならないためサイズによって2尾から、多いところでは8尾くらいを1貫に使用します。
そんな「新子」は7〜8月に旬を迎えます。ごく限られた時期にしか水揚げのない希少性も、高級感と貴重さを増すのかもしれません。
※新子は季節限定のため、入荷状況はお店に都度確認を。
お好みでオーダーできる店
1. 「弁天山美家古寿司」(浅草)
武智さん
江戸前寿司の祖・華屋与兵衛の流れをくむ店で修業を重ねた初代・金七。慶応2(1866)年に開業したのがこちら。当時から伝わるこれぞ「江戸前の仕事」を楽しむことができるます。新子もキリッと酢締めされ、ゆえに淡いうまみ、香りが引き立てられています。