日本とは違う、フィンランドの味そのままの「ミートボール」も必食

ミートボールにジャム〜!?と驚きますが、こってりソースにベリーの酸味がマッチするのです。フィンランドのパン、マッシュポテトも付いて900円

麺ではないですが、ポーヨネンのシグニチャーと言えば「ミートボール」。フィンランドでも定番の家庭料理として食べられているアレです。

ただ日本のミートボールと決定的に違うのは、「フニャフニャに軟らかい」ということ。えみぞうさんはフィンランドと同じように、マッシュポテトを混ぜ込んでしっとりした食感を出します。

現地同様、リンゴンベリー(コケモモ)ジャムを添えるのもマストです。付け合わせのマッシュポテトもたっぷりと。

「AURANマスタード」はパスタにもミートボールにも合います。付けると一気に違う料理のような味に!

そうそう、テーブルに置かれたこのマスタードの話を忘れていました。フィンランドのマスタードですが、これがめちゃめちゃおいしい。帰宅後、お取り寄せしようとして検索しまくったら1本2,000円ぐらいするサイトしかなく、えみぞうさんに売ってもらえばよかったと後悔しました。

 

猫田さん

かつて私が血眼になって再現しようとした、マクドのナゲットのマスタードとほぼ同じ味です!

「お店をやれたのは良い人に恵まれたおかげ。自分の力なんて1割ぐらい」と控え目なえみぞうさん

もう一つパスタ作りますか?とのこと、「ハイ喜んでー!」とお願いしました。登場したのはミートボールごろごろパスタ。現地にはないメニューだそうですが、常連客から「ミートボールを他の味でできへんか」というリクエストがあり、模索して閃いたのが「『カリオストロの城』に出てくるパスタ」。ルパンと次元が取り合っていたアレです。

ほぼ半分がミートボール! 「カリオストロの城」に出てきた、肉々しいあのパスタ

ミートボールごろごろパスタ1,000円。すんごい食べ応えがあります

本当にミートボールごろごろ。パスタよりミートボールの方が多いかもしれません。肉塊とうまくまとまるように、レモンのパスタより細めの麺を使っているそうです。

単品のミートボールはブラウンソースですが、パスタの場合はミートソース。ひき肉たっぷりのボロネーゼ系で、チーズをしこたまふりかけます。

 

猫田さん

これももちろん、例のマスタードで味変するとまた違ったおいしさに!!

メニューの数はそれほど多くないのですが、他にも「サーモンスープ」「たっぷりきのこのチーズクリームパスタ」や、デザートも「レモンドリズルケーキ」など用意。フィンランドの紅茶や、サルミアッキとミルクを混ぜた「サルミルク」といったファンキーなドリンクも。

店の奥には井戸があり、神棚のようにお酒などが備えられていました。えみぞうさん、きっと守ってくれてますよ!

この店には本当に面白いお客さんが集まってきて、取材日も「めちゃくちゃグルメで数百軒も訪れているのに全然ブログにしていないおじさん」がいらっしゃいました。

 

猫田さん

そのおじさんの、「超ウマいけど店主が世界一感じ悪いラーメン屋」の話が面白すぎて、ぜひ行ってみたくなりました。これも余談ですが。

最後に写真を撮りますと言ったら、「コレ持っていいですか!」と謎のぬいぐるみを取り出したえみぞうさん。鮭なのですが、なんとチャックを開いて裏返すと「イクラ」柄のネックピローになるというスグレモノ。

フィンランド製ではないですが、料理の師匠が開店祝いに「フィンランドと言えば鮭やろ」とプレゼントしてくれたそう。さらにこれを欲しいという人が続出するので代理店のように何十本も仕入れて売りさばいたのだとか……。

 

猫田さん

誰もが仲良くなれそうな、気さくなキャラのえみぞうさん。家から近かったら週イチぐらいで通いたいです。

※価格は税込。

撮影:橋本正樹
文:猫田しげる