〈食いしん坊が集う店〉
食べることが好きで好きで、四六時中食べ物のことを考えてしまう、愛すべき「食いしん坊」たち。おいしいものが食べたければ彼らに聞くのが間違い無し! 今お気に入りの、“とっておきのお店”を教えてもらった。
教えてくれる人
高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
西麻布の「No Code」が月に数日「ÉPICOUL」と名前が変わる
毎月続々と店がオープンする一方、あえて店を持たず間借り営業するシェフも増えています。理由はさまざまですがフランス料理人、入江 誠さんもその一人。入江さんは1975年札幌生まれ。伝説のTV番組「料理の鉄人」を見て、初代フランス料理の鉄人、石鍋 裕シェフの店「クイーンアリス」で働くという意志を持って服部栄養専門学校へ入学。在学中にその念願の店でのアルバイトが決まり、そのまま5年間修業します。その後目標だったフランスへ行き、マルセイユにある三つ星「Le Petit Nice Passedat」の他、パリ、ボルドー、ブルゴーニュ、モンペリエのレストランで研修を重ねました。
帰国後は日本橋浜町「ル・ブション」、南青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」の料理長の職に就き二つ星を獲得。その後ブライダル会社で自身の名を冠した「イリエ ル ジョワイユー」を立ち上げ、青山一丁目「ARBOR」の料理長を4年半務め、昨年会社設立。食を通したビジネスの世界へと歩き始めたのでした。ところが入江さんの料理を食べたいという声が高まり、以前から親交のあった米澤文雄シェフの店「No Code」で月に3〜5日だけ間借り営業することになったのです。
店名の「ÉPICOUL」は入江さんの料理の特徴であるフランス語の「ÉPICE=スパイス」と「COULEUR=色」を組み合わせた造語です。その名の通りスパイスの香りの高さと大胆な色彩に目を見張ります。