三重県桑名産のはまぐりをたっぷり使った出汁と、おでん出汁を合わせた至高の〆ラーメン
秋山さん
〆の中でもはまぐりラーメンは癒やされて染みるおいしさでした。
秋山さんが推す「はまぐりラーメン」は、同店が東京進出を機に新たに考案したメニューだ。「その手は桑名の焼きはまぐり」と昔から言われているように、三重県桑名のはまぐりは全国的な知名度を誇る。理さんは「東京の人はラーメンが好きな人が多いので、三重の名産のはまぐりを使った〆ラーメンを新たに作ろうと考えました」と話す。
ラーメンスープは、桑名産のはまぐりで取った出汁をつぎ足した濃厚出汁に、三重県産醤油をベースに企業秘密の調味料を加えた特製のかえしを、おでん出汁で割ったもの。麺は「一般的な中華麺では面白くない」と、盛岡冷麺にも使われていることもあるという米粉麺を別鍋で茹でてスープと合わせる。
大正時代に作られた骨董の器にスープと麺を盛り、別茹でした桑名産のはまぐり、そしてネギではなく三つ葉をトッピングして完成だ。
秋山さん
米粉で作られた口当たりの良いストレート麺で、スープと一緒に口の中に入れると幸せな気持ちになります。おいしいおでんの出汁に三重県桑名のはまぐりの出汁も加わって、滋味深い味わいで、毎日飲みたいスープです。
吸い物のように上品な見た目の「はまぐりラーメン」だが、そのつつましやかな見た目とは裏腹にスープを一口含むとはまぐり出汁の波が力強く押し寄せてくる。黄金色に透き通るスープは、貝出汁の嫌なえぐみもなく、三つ葉の清涼感とともに清らかなうまみをもたらす。表面に細かな凹凸がある米粉麺は、スープの味わいをしっかり吸ったモチモチとした食感で、主張が強すぎずはまぐりの味に寄り添う点もあっぱれだ。
秋山さん
はまぐりといえば、三重県の桑名産ですが、そちらの大きな身がふっくらとしたはまぐりと、アクセントとしてうれしい三つ葉が入っています。
そして、お好みで「原了郭」の黒七味で味変するのもまた一興。爽やかでピリリと辛い黒七味が、はまぐりラーメンの味わいに輪郭をもたらす。
「而今」や「田光」「作」など、三重県の地酒を中心に揃え、「新政」など入手困難な日本酒も勢揃いするなど酒好きにはたまらない「関西煮 理 OSAMU TOKYO」。滋賀県のヒトミワイナリーのワインや、ブラン・ド・ブランシャンパ-ニュとコトー・シャンプノワなどのシャンパンも豊富だ。オープンしてから1年経たずに多くのグルメ著名人が通う店には、東京ではまだ馴染みのない正統派の関西風おでんだけでなく、〆ラーメンまで抜かりない料理の数々があった。