〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

喫茶二十世紀(東京・明治神宮前)

 

坂本昌行、長野博、井ノ原快彦によるユニット 20th Century(通称トニセン)がプロデュースする喫茶店が、11月1日、渋谷区神宮前にオープンした。かつての喫茶文化を新しい未来へとつなぐ“ずっとあり続ける喫茶店”として、3人が店内のデザインからメニュー開発までこだわりをもってつくり上げた店だ。

トニセンの3人にとって喫茶店は、小さな頃から身近な存在で、どこか居心地のよい場所だったという。しかしそんな喫茶店が少しずつ減ってきている現状を寂しく思っており「喫茶文化を絶えず未来に残していきたい」という思いに駆られ、2021年の夏にこのプロジェクトがスタート。約2年の歳月をかけて準備してきた。

インテリアから音響までこだわり尽くした店内。期間限定出店ではなく常設店となる

店内のレイアウトは、象徴的なアーチの形状をはじめ、床材、壁材、テーブル、椅子、食器類、制服など、細部まで昭和の時代が生んだ色気のあるデザインをリスペクトしたつくりとなっている。

また喫茶店は、家業で経営している店舗も多く、建物の老朽化や人の高齢化により、やむなく閉店してしまう名店も少なくない。「喫茶二十世紀」では、そのような素晴らしい名店のインテリアを譲り受け再利用することで“ずっと在り続ける喫茶店”として、未来に喫茶文化をつないでいく。

店内27席とテラス席もある

さらに、喫茶店ならではの居心地がいい空間を彩るために、音響にもこだわった。アメリカの老舗オーディオメーカー「JBL」のビンテージスピーカーをカスタムし、ここでしか聞けない音楽を楽しめる。オリジナル楽曲も検討中だ。

アーチ形状を活かしたカウンター席

提供する食事は、こだわりのコーヒーや昔ながらの良さと今が混じり合った、懐かしくもどこか新しいメニューを展開。昭和の喫茶店からインスパイアされた、ナポリタンやたまごサンド、ソーダを提供する。また、店内では自宅でお店の味を再現できるドリップパックやコーヒー豆なども販売中。

ロゴ入りの赤いマットが印象的。「喫茶二十世紀」の入り口

ロゴマークにもなっているアーチ形状を活かしたカウンター席やオリジナルのステンドグラスなど、上質な素材をちりばめ、心地よい時間を楽しめそうな喫茶店。ぜひ足を運んでみたい。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:當間優子 写真:お店から