コースはなんと6,600円! 圧倒的なコストパフォーマンスを誇るコース内容を全部見せ!

先付「メロンの煮浸しとウニ」

メロンの種の味が濃く、甘く、命の滴りがあって、ウニの甘味と寄り添う。淡い淡い吸い地が張ってある

椀物「くるまばそうオイル、ふき、あいなめのお椀」

和物「栗山の蒟蒻と胡麻  しどけ  子持ちヤリイカ。酢味噌」

揚げ物「山うどのかき揚げ」

焼物「白花豆のすり流しとヒラメ オオハナウドの花」  

和物「ババの手貝  カリフラワーのヴィネグレット餡とウイキョウ  山わさび」

貝は味の濃さとほのかなえぐみ、いい意味での下品さがあって、それをカリフラワーの品と山わさびで引き締めている

炊き合わせ「ボリボリ(きのこ) ながひじき  カブと揚げ  三つ葉」

淡い出汁を煮含めたカブや揚げがしみじみおいしいのはもちろんだが、ながひじき一本が、ため息が出るほど美しいおいしさ

ご飯「蓬ぼた餅  松の実 わさび根っこ」
香の物「沢庵 山牛蒡味噌漬、百合山葵」  

蓬の青々しさが香る中、百合根に似たわさびの根っこの優しさが溶け合う。ご飯が喉に消えた後に、余韻としてたなびく蓬の香りに心休まる

水菓子「パイナップルシャーベット  いちご 手ちぎりミント  洋酒」

菓子「じゃがいもと黄身のきんとん」

「できれば毎日食べたい。」そう思わせてくれる料理の数々

優しく地味な甘さが持つ力強さに気づく。
余剰がない。過多がない。

朴訥ながら、神経を傾けて噛んでいくと雄弁となる。どの味わいも清淡ながら、真の豊満を教える。穏やかながらも、深奥が潜んでいる。

また、手間暇という慈しみがある。一皿一皿と進んでいくに従って、安寧へむかわせながら、生きとし生けるものの勢いに触れた、興奮が膨らんでいく時がある。

できれば毎日この料理を食べたい。ここに来るたびにそう思う。