店のこだわりと個性が光る夜のメニューに注目!

大将の目利きが光る、夜のネタの充実っぷりがすごい

天然本マグロの中トロ。春から初夏にかけては身が締まり、脂のりのよい宮城県塩釜港で水揚げされた100kg前後のものを仕入れることが多い。赤酢を使ったシャリが、マグロの香り、旨みをグッと引き立てる。

中トロ

真アジは脂肪含有量が10%を超える、島根県で取れたブランドアジ“どんちっち”を使用。酢加減、香りが穏やかな米酢のシャリを合わせることで、上品でクリーミーな握りに仕上げる。すりこぎで擦ったネギと生姜を合わせたものを薬味に。

真アジ

イカは白イカ、アオリイカ、スミイカなど旬で替わる。春から初夏にかけては白イカ。甘味を引き立てるために細やかに包丁を入れ、さらに炙ることで表面の硬さと中のふっくら感、異なる食感を楽しませてくれる。柚子胡椒でいただく。

白イカ
 

武智さん

丁寧に仕事がなされた端正な握りたち。出されたそばから勢いよく頬張るのも良いですが、細やかな仕事の意味、さまざまな薬味がある理由なども伺いながら食べれば、ますます楽しくおいしい時間になりますよ。

趣向を凝らしたつまみにも心つかまれる!

夜のコースには握りの合間にさまざまな料理が差し込まれる(14,800円のコースで7種程度、握りは13貫)。「仕入れ次第で内容が変わるので、仕入れながら何を作るか考えています。大変ですが、腕の見せ所でもあるのでやりがいがありますよ」(中津川さん)。それらは単独でおいしいのはもちろん、次に提供される寿司を引き立ててもくれるという名脇役。また、お酒をたしなむ人にはつまみを多めに、お酒は少なめという人には握りを早めに出すなど、食べ手の様子に合わせて調整してくれるのもうれしい。

「たらことじゃがいもの茶碗蒸し」。滑らかさの中のホクホクした食感が楽しく、まろやかな味わいの中に明太子のコクと風味が広がる様が心地よい

「本マグロほほ肉のポン酢焼き」には、近海で取れた本マグロの頬肉を使用。加熱されることで香ばしく、ポン酢の柔らかな酸味で旨みが引き立てられた逸品。添えられたグリーンアスパラ、山芋のたたきも食感と味わいに絶妙のアクセントを生んでいる。お酒が進んで仕方ない。

「本マグロほほ肉のポン酢焼き」