〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。
SUETOMI AoQ Cafe Stand(京都・五条駅)
2023年5月、五条駅から徒歩4分ほどの場所に「SUETOMI AoQ」の新形態、テイクアウト専門カフェ「SUETOMI AoQ Cafe Stand」がオープンしました。「AoQ(青久)」は、1893年創業の京菓子司「末富」がプロデュースする新ブランド。4代目の山口祥二氏が海外での和菓子講習会や、フレンチのシェフやパティシエとコラボレーションしたイベントなどの経験から、新たなことにも挑戦したいと思い、2022年秋に立ち上げました。
茶の湯とともに育まれ、季節の移ろいを大切にして、人々の心をつなげる役割を果たしてきた京菓子を、もっと身近に感じて欲しいと、現代の「お茶時間」を提案すべく、京菓子をルーツに現代のエッセンスを加えました。そこで、フィナンシェにあんをのせて食べる「あんフィナンシェ」や、ふやき煎餅にチョコレートをコーティングした「チョコふやき」などを販売。同店は、伝統と格式を受け継ぎながら、新しい素材、技法を取り入れていく「AoQ」の新たな挑戦の場となります。
烏丸通と松原通の交差点、目を引く青いベンチスペースが目印です。奥行きわずか1m、3坪ほどの狭小な場所ですが「末富」本店にもほど近く、この場所でカフェスタンドをするのが面白いのではないかと、ここに決めたそうです。ベンチの後ろの壁は化学変化でわざと錆びさせ、緑青の色にしています。ブランドカラーである「青久ブルー」には、みずみずしさを忘れず幾久しく挑戦を続けていきたいという思いが込められています。一見、木製に見える外壁には経年変化する銅素材を使用し、時の移ろいを表現。時が経つにつれて錆びたりくすんだりし、何十年も先にはまた違う表現を持った外観になるイメージです。
おすすめは「あんカフェオレ」(HOT/ICE)594円。「末富」の生菓子に使用しているこしあんをたっぷり溶かしたカフェオレで、あんとの相性を考え抜き、特別にブレンドしたコーヒーがベースになっています。スッキリした甘さが特徴で、あんことコーヒーの意外な相性の良さを楽しめます。
「生ハムとチーズのあんカスクート」702円は「末富」のつぶあんを、スペイン産の生ハム・ハモンセラーノ、クリームチーズと一緒に、表面はパリッと、中はもっちりしたチャバタで挟んでいます。どのような味がするのか想像がつきませんが、甘さとしょっぱさの組み合わせは一度食べると病みつきに。食べ応えのあるサイズ感で、軽食にもピッタリです。
他にもスタンダードなコーヒーやカフェオレの他、ほどよい甘さに仕上げた「フィナンシェ」378円もあります。食べやすいサイズで、コーヒータイムのお供にもちょうどいいですね。今後もさらに新たなメニューを展開予定だそう、そちらも楽しみです。
気軽にお茶時間を楽しめる、老舗京菓子店の新店舗。京都にお出かけの際は立ち寄ってみてください。
※価格はすべて税込