【映画のあの味が食べたい!】

『オーシャンズ11』

シンプルなアメリカン・チーズバーガーは、気取らずガッツリ頬張るのがブラピ流

ブラッド・ピットは映画中、何かを食べているシーンが多いことは、ファンの間では有名です。

 

その理由として考えられるのは、イケメン過ぎるから。

『12モンキーズ』(95年)のテリー・ギリアム監督が以前インタビューで語っていた話。資金繰りのため、当時、人気急上昇中だったブラピを起用するようプロデューサーから要請された監督は、プロの演技トレーナーをつけて、精神を病んだ患者ジェフリー・ゴインズの役作りを始めたものの、どうにも大根役者で使いものにならない。

 

クランクインが迫るなか、もう無理だからプロデューサーにブラピの降板を進言しようと考え始めていたところ、土壇場になってめきめきと上達を見せ、撮影に間に合ったとのこと。その集中力のスゴさと“持っている”スターとしての資質を褒めていました。実際に、ブラピはこの演技でゴールデングローブ賞ドラマ部門の助演男優賞を受賞、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。

 

で、なんでこれが「食べる」と結びつくかというと、ブラピ=演技が下手、という定説がキャリア初期の頃にはあったから。何をやっても格好良過ぎというイケメンならではの辛さ、何か物を食べることであえて崩すことは彼なりの演技法だったのです。

ということで、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(97年)、『ジョー・ブラックをよろしく』(98年)、『ファイト・クラブ』(99年)、『スナッチ』(00年)に続く、キャリア絶頂期に出演した『オーシャンズ11』でも、食べに食べてます。

 

ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)とその仲間10人が、ラスベガスのカジノ王(アンディ・ガルシア)が所有する巨大カジノから大金をごっそり盗もうというスタイリッシュなクライム・ムービーです。

 

クルーニーを始め、マット・デイモン、ケイシー・アフレック、ドン・チードル、ジュリア・ロバーツといったアカデミー賞俳優がズラリと顔を揃えたアンサンブル劇。ゴージャスなラスベガスを舞台にゴージャスなハリウッドスターが暴れ回る姿は痛快!

ブラピが演じるのは、オーシャンの右腕ラスティー・ライアンです。スタイリッシュでセクシーで頭がキレる。そんなラスティーが初登場シーンで食べているのがトルティーヤチップス、競馬場では子供のようにサンデーをスプーンでかき込み、さらにミーティング中も何やらスナックをつまむ。いつでもどこでもむしゃむしゃ。

 

通常、俳優はクリアに話せないし、カメラ映りも美しくないので、レストランでも、それなりの理由がないと実際に食べているシーンそのものはないのですが、ブラピに限っては、それが重要な意味をもつかのように、いつも何かを食べ続けている。その無造作な感じがまたいい。

 

愛車の1963年型のフォード・ファルコン・フューチュラコンバーチブルでオーシャンの出所を迎えに行く、印象的なシーンでチーズバーガーを頬張り、その包み紙をくしゃくしゃ。プライベートでもハンバーガーショップでよく姿をキャッチされているだけあって、さすがサマになっています。

出典:wajorinさん

 

そんなブラッド“ラスティー”ピット風にアメリカンなハンバーガーが食べられるショップといえば、カリフォルニア発のハンバーガーチェーン「カールスジュニア」。ふっくら柔らかいバンズに、オーストラリア産ビーフを使用したジューシーなパティを直火で焼いてサンド、レッドチェダーチーズとピクルスを挟んだだけの「チーズビッグバーガー」は、流行のグルメバーガーとはひと味違う、普段着のアメリカン・バーガー。

 

TO GOでピックアップし、近くの公園やベンチでさりげなく食せるいい感じのサイズ。バンズをぐっと潰してガッツリ食べるのがブラピ流です。

作品紹介

ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は、腕利きだがクセのある仲間たちを率い、3つのカジノを同時に襲撃するという途方もない計画を実行に移す。標的はカジノのオーナーであり、ダニーの元妻(ジュリア・ロバーツ)と付き合っているベネディクト(アンディ・ガルシア)。ラスティー(ブラッド・ピット)、ライナス(マット・デイモン)、フランク(バーニー・マック)、ソール(カール・ライナー)他、役者は揃った。のるかそるか、史上最大の作戦が始まる。

 

『オーシャンズ11』
ブルーレイ ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税
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