昨年末にグルメ界隈を賑わせた「ノーマが京都に来る!」というニュース。日本でポップアップを開催するのは2015年以来だ。

2023年3月15日〜5月20日の期間限定で開催される今回のポップアップは、初回発売分のチケットはものの数分で売り切れ、ウェイティングリストに登録している客は数万人を超えるとか。

そんなプラチナシートを運良くゲットした編集部・Tが4月某日に「ノーマ京都」へ。
そこで体験した美しき食体験をレポートしたい。

「ノーマ」とは

デンマーク東部のコペンハーゲンに店を構える「ノーマ」。「世界のベストレストラン50」で5回も1位に輝いたという伝説を持ち、“世界一予約の取れないレストラン”との呼び声も高い中、2024年末に店をクローズさせると発表。「一度は伝説の料理を食べてみたい」とフーディーたちが集まり、さらに予約が取れなくなっているという。

オーナーシェフはレネ・レゼピ氏。15歳から料理学校に通い、スペインの三つ星レストラン「エル・ブリ」などで腕を磨いたのち、25歳で「ノーマ」をオープン。地元・北欧産の食材を使うことにこだわり、季節性やローカル性を重視した「新北欧料理」というスタイルを確立した。

nomaより

忘れもしない。2023年の初め、表参道の某寿司店にてグルメ界隈の先輩から「そうだ、ノーマの予約取れたんだけど行く?」というさらっとしたお誘いを受けた。

「えっこんな軽く誘われるの?」「自分のおサイフ事情は大丈夫なんだっけ?」「仕事で食に携わる者として絶対に経験すべきだよな」

……瞬時に色々な思考が頭の中を駆け巡ったが、3秒後にはその寿司店の全員が振り向くような覇気と声量で「行きます!」と回答し、今回の訪問に至った。

当日を迎え、いざ京都へ!

会場となる「Ace Hotel 京都」に到着

今回のポップアップの会場に選ばれたのは「Ace Hotel 京都」。2020年6月に開業した同ホテルは建築家・隈研吾氏と、LAを拠点とするコミューンデザインとのコラボレーションにより、歴史的建造物を改修して造られた。

ホテルに着くなり英語で話しかけられ、アワアワとする。もうここから「ノーマワールド」が始まっているのだ、と気を引き締めたものの、英語がまったく話せない私。言葉を覚えたてのオウムのように「ノーマ! ノーマ!」と言っているとスタッフの方がニコニコしながら3階の会場まで案内してくれた。

のれんの先に広がる圧巻の空間

予約をしてくれた友人と、グルメ界隈で知り合った素敵なご夫婦と店前で合流。海外旅行中に日本人と会った時に似た喜びと安心感を感じる。

店に掲げられたのれんの前に立つと「ついに来てしまった」という感慨深さとこれから始まる新しき体験への期待に胸が高鳴った。

nomaより

なんとこちらのメインダイニングは、ノーマ仕様に向け2023年1月下旬ごろから改装を始めたそう。このポップアップの規模の大きさと思い入れの強さに感銘を受ける。

席に案内されて着席し、緊張感と高揚感はマックスに。約13万(ペアリング込)の我が人生イチ高額なディナーがいよいよ始まる!