旬の魚介を使った土鍋ご飯に、ほっとするしじみ汁
山本さん
焼酎にはご飯も合うので、やはりシメに土鍋ご飯を食べたくなりますね。
コースの締めでは土鍋で炊いた白米に、朝採れ平飼い卵の天美卵をかけていただく卵かけご飯、もしくは季節で変わる土鍋炊き込みご飯が登場する。春の今は、桜鯛を使った炊き込みご飯だ。魚介類は北海道や九州の漁師から直接仕入れているほか、豊洲から仕入れることもあるという。
土鍋ご飯は薄口醤油を少々加えた鰹と昆布出汁で、北海道産のゆめぴりかを炊き、グリラーで焼いた桜鯛を白米が炊き上がる直前に加えて炊き込む。ネギと青芽を散らした土鍋ご飯は、桜鯛の芳しい香りと品の良い味わい、その出汁をたっぷりと吸った米がしみじみとおいしい。
山本さん
しじみ汁は、シメのシメに出していただけて、ほっとします。
焼酎をたっぷり飲んだ後の身体をじんわり労ってくれるのが、2Lの昆布出汁に対して、1.5kgものしじみを使った「しじみのお椀」だ。豊洲の魚問屋から仕入れた島根県宍道湖産もしくは青森県十三湖産、茨城県涸沼産のしじみを使用している。一般的なしじみ汁の2〜3倍量入った「しじみのお椀」は、凝縮されたしじみ出汁が疲れた肝臓に染み渡る。しじみラーメンもあるので、気になる方はそちらもどうぞ。
近藤氏の丁寧なサービス、おもてなしにも定評がある「焼酎場 近どう」。「明日に酔いを持ち越さないように」という心遣いから、会計時に全ての来店客にお猪口でしじみ汁とウコンの錠剤を渡しているというから驚きだ。また、店の料理や和らぎ水、水割りやお湯割りには、焼酎蔵の佐藤酒造に薦められたという鹿児島県霧島市の福寿鉱泉水を使用。シリカ含有量が高く、清らかで口当たりなめらかな福寿鉱泉水のおかげで、悪酔いせずに思う存分焼酎が味わえるような気がする。
春は「千本桜」など桜にちなんだ焼酎が、GW明けには爽やかですっきりとした味わいの夏焼酎が並び始める「焼酎場 近どう」。銀座の落ち着いた大人たちだけが集う店で、その時期ならではの焼酎を傾けつつ、旬野菜の天ぷらや土鍋ご飯に舌鼓を打つ。そんな粋な過ごし方が叶う店はそうないだろう。