〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

懐食みちば(千葉・松戸)

旬の釜めし

2023年2月に松戸駅から徒歩5分ほどの場所にある「KITE MITE MATSUDO」の地下1階にオープンした「懐食みちば」は、和の鉄人・道場六三郎氏が作り出す至高の味を“もっと身近で、もっと気軽に”楽しめる和食店です。

道場六三郎氏 

道場氏は、料理は「お客様に喜びのひととき」を提供するためにあると考え、和食料理人でありながら、西洋料理、中華料理で使われる食材や調理技法も積極的に取り入れるなど、型にとらわれない自由な発想でいつも新鮮な料理を提供してきました。2005年には「現代の名工」を受賞するなど、料理人としての地位を確固たるものにしました。
今年92歳の集大成として、和食の伝統を踏まえながら、新しい料理に挑戦する姿勢を継承した愛弟子たちの活躍する場を広げ、またその味を気軽に楽しんでほしいという思いから同店の出店に至りました。

キッチンスタジアムのようなオープンキッチン 

お店は「KITE MITE MATSUDO」地下1階のスーパーマーケットを抜けたところにあります。スーパーの奥という場所が不思議な気もしますが、扉を開くとそこには異空間が広がり、そのギャップに驚くかもしれません。高級感のあるシックな店内には、目の前で料理人の調理が見られるカウンターが12席、テーブル席が8席(4名×2卓)の合計20席。隠れ家のような雰囲気で、大切な人と過ごすのに最適な空間です。

伝統のダシを基本に

同店で店主を務めるのは、道場氏に20年間鍛え上げられた「銀座ろくさん亭」元料理長の一ノ谷浩司氏。伝統のダシを基本に、新たな試みとして石窯を使った“焼き”で食材の旨みを引き出した料理や、旬の食材を炊き込んだ釜めしを炊き立ての状態で提供します。

ランチコース

メニューは、ランチ、ディナー共にプリフィックススタイルのコース料理のみで、職人がその時々で一番おいしい料理を提供します。コースを1つにすることで食材ロスが抑えられ、職人の作業性も高まり、またスーパーの奥だからこそ賃料等の費用が抑えられるため、なんと「銀座ろくさん亭」の50~70%程度となるリーズナブルな価格設定になったそう! ランチコース3,300円は、前菜3種、御膳盛り、季節の釜めし、水菓子の4品。どれもこれも手が込んでいて満足度の高い料理ばかりですが、なかでも季節の釜めしは、途中から「命の出汁」でお茶漬けとしても楽しめるのがうれしい演出です。

ディナーコース 

ディナーコース10,890円は、お酒の進みそうな前菜5種に始まり、道場氏が追求してやまない出汁で作った滋味深いお椀、新鮮な刺身、石窯を使った焼物など、たっぷり全8品で構成されています。中でも短時間で食材の中まで加熱できるというフランス製石窯で焼く国産和牛もも肉は、しっかりと肉汁が閉じ込められ、外側は香ばしく、噛むとしっとりジューシーな旨みが溢れ出ると評判の逸品です。締めの食事は「田舎風もり蕎麦」「さっぱり和風カレーうどん」「糠鯖茶漬け」から選べるのもうれしいですね。北陸名物のへしこを使った「糠鯖茶漬け」は、熱々の出汁と3年糠に漬けられた鯖の塩気で、ご飯がどんどん進むシンプルながらやみつきになる味。お腹いっぱいでもおいしく食べられる究極の茶漬けです。

開店前から話題になっていた新店ですが、現在は5月までの予約もほぼ埋まっています。さらに予約困難になりそうですが、匠の技を堪能しに訪れてみてください。

※価格はすべて税込

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:佐藤明日香 写真:お店から