極力自然のものにこだわり、食後の余韻も大切にしたい

入口横のスペースに飾られているのはヨシキリザメの尾ビレ

服部さんが生まれ育った漁師町・焼津は、冷凍カツオの水揚げ日本一を誇り、かつお節で有名な町。それだけだしへの思いも深い。

「かつお節だけでなく、日高昆布や干し椎茸、干し貝柱などもそうですが、自然のものからとっただしは体になじむというか、変にのどが乾くようなことがありません。できるだけ自然のもので手作りを心がけ、時間がかかってもいいものを提供し、食べ終わった後の余韻も大切にしていきたいですね」と服部さん。

深みのあるグリーンと白を基調にした客席。テーブルセッティングも美しい

満を持しての独立から7年目、飲食店の入れ替わりが激しい赤坂にあって、着実に訪れる人の心をつかんでいる「赤坂 華悦樓」。厨房から聞こえてくるリズミカルな包丁や鍋の音も心地よく、ふかひれ料理のほかにも海鮮や肉・野菜料理、点心、麺・飯料理など、オーソドックスな一通りの中華もメニューに並ぶ。予約が取りにくくなる前に、ぜひ足を運んでみてほしい。

※価格はすべて税込。

取材・文:池田実香(フリート)
撮影:齋藤ジン