「The Tabelog Award 2023」 受賞店インタビュー

「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2023」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」が決定した。

受賞店数は470店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?

Gold受賞「CHIUnE」古田 諭史氏

古田 諭史氏

東京・広尾にあるイノベーティブ・フュージョンの名店「CHIUnE」。オーナーシェフ・古田 諭史氏の実家は岐阜にある中華の人気店「開化亭」であり、著名な料理人である父・等氏の背中を見て育つ。2009年に岐阜で「Satoshi.F」を開業し、2016年の東京移転を機に店名を「CHIUnE」と改めた。

「The Tabelog Award」では2022年度からの連続ノミネートとなり、2023年度はGoldを受賞。「誰かの真似をしたくない」と語る古田氏が抱く信念とは?

シンプルにそぎ落とした先にある、もっともおいしい瞬間を届けたい

店名の由来は、自身のルーツである岐阜の方言で「棚田」を意味する「千畝(ちうね)」。訪れる人の脳裏に残るようにという思いを込め、nだけを小文字にしたという。

古田氏は独立以降、4年ほどかけて「シンプルにそぎ落としていく」という自身の料理のスタイルを確立。岐阜での手応えを得たタイミングで、より多様な食材と大きなマーケットを求めて東京に移転を決めた。

現在の「CHIUnE」は、カウンター8席一斉スタートの2回転入れ替え制。古田氏の信念である「自身がおいしいと思う味わいを、もっともおいしい状態で伝える」を可能にするためのスタイルだ。

おいしさとは、食材が心を開いた状態

おいしさは自分の技術によるものではなく、食材が心を開いた状態だと語る古田氏。食材が全開のパフォーマンスを発揮した瞬間は、親友ができたような喜びを感じるのだとか。

そんな古田氏のモットーは、食材をはじめ、自分を囲むすべてのものに敬意を払いながらも、周りの意見をむやみに取り入れることなく、自分の意見だけで料理をすること。「誰かの料理を真似したくない」。そんな思いの積み重ねが、今の自分の環境をつくっていると語った。

詳しくは動画で

インタビュー動画では古田氏が、料理に対する思いや、将来の展望などを語る。素晴らしい料理がどのようにできているのか、そのヒントが詰まっている。

■その他の受賞シェフインタビュー
https://award.tabelog.com/interview

■The Tabelog Award 2023
https://award.tabelog.com/

「The Tabelog Award」受賞店を一挙ご紹介

『The Tabelog Award 2023 公式本』(ぴあ)2,970円(税込)

日本のトップシェフの料理への情熱を徹底取材した、食べログアワード公式本が2023年3月下旬に発売。食べログアワードを受賞した全国の名店470軒を掲載しています。グルメ必携の一冊。

文:食べログマガジン編集部
撮影:辻崇裕