食通たちが選ぶ、2022年に惚れ込んだ名店とは? 関西在住のフードライター・猫田しげるさんが選ぶとっておきのお店を教えていただきました。

〈2022 食通が惚れた店〉

新型コロナウイルスによる混乱は続くものの、飲食業界も賑わいを取り戻した2022年。油断のできない状況は続きますが、各店が工夫を凝らし、おいしいものを届けようと努力しています。

そんな2022年に、グルメ情報を熟知した有識者が「最も印象に残った店」や、おすすめの「2,000円以下のお手軽グルメ」などをうかがいました。

フードライターの猫田しげるさんにお答えいただきます。

教えてくれる人

猫田しげる
グルメ誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとして関西を中心に活動。おいしい店はもちろん、それ以上に「クセの強い店」を愛してしまう。表向きは普通に会社勤めしているサラリーマン。あまり更新できていないブログ「クセの強い店が好きだ!」もよろしくお願いします。

今年のベストレストラン

Q. 2022年、最も印象に残った飲食店を教えてください

A. 「たこ竹」です

大阪の皆さん、朗報でっせ~。大阪寿司の老舗「たこ竹」が、2022年11月に再オープンしました。190年の歴史に幕を閉じたのが2018年。一度復活するも2022年7月に休業……と翻弄されましたが、ついに腰を落ち着けました。

 辣油は飲み物
上ちらし(移転前の店舗で撮影)   出典: 辣油は飲み物さん

私は北海道出身なので「ご飯を固めた大阪寿司って旨いの?」と疑っていましたが、初めて「たこ竹」の上ちらしを食べて感動。桜でんぶも錦糸卵も一から手作り、穴子の煮詰めも昆布締めの鯛も伝統の味を守り、手間暇の結晶でしかない。どこを食べてもおいしいちらしは、手土産にも最適です(誰かくれ~)。

 アルボス
鯖寿司   出典: アルボスさん

冬限定の鯖棒寿司も、ほぼ鯖!ってくらい鯖が分厚い。イートイン可ですが、席が少ないので事前予約したほうが無難。あと店主の岡山さん、相変わらず話好きで、「へー」とか「ほー」とか聞いていると帰るタイミングを逸してしまいます(笑)。

アンダー2,000円のお手軽グルメ

Q. 2022年に食べた〈2,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「祥龍」の蒸し餃子(6個1,050円)です

お店自体は3年前からありますが、メニューにこの蒸し餃子が登場したのは割と最近です。哈爾濱(ハルビン)出身の夫婦が営む中国料理店で、中国東北地方の本格的な味がいただけます。

現地ではポピュラーだという蒸し餃子は「肉」と「海鮮」の2種あり、水餃子ともまた違ったブリッとしたみずみずしい弾力が特徴。単品でも2種盛り合わせでも注文できます。「肉」は大麦入りの皮に牛肉の粗ミンチがみっちりと、「海鮮」はトウモロコシ入りの皮にエビ・ホタテ・イカ・豚ミンチの餡を贅沢に。ネギや山椒などの薬味が利いていて、何もつけなくても美味。でも黒酢と合わせた自家製ダレで食べるとさらに旨さマシマシです。実は冷凍での発送もしており、知っている人は餃子や焼売をお取り寄せしているようです!

そーゆー1969
出典:そーゆー1969さん

             

2022年のお取り寄せ

Q. 2022年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「友力食品有限会社」の「月餅」です

月餅ってピンキリで、日本でおいしい月餅に出合うことは稀(筆者調べ)なんですが、この「友力食品」の月餅は本当においしい。神戸元町の商店街にある店の奥の厨房で、一家でせっせと手作りしています。

ものぐらふぃ
出典:ものぐらふぃさん

小麦粉やバターなども上級のものにこだわり、添加物等は一切不使用。月餅は「栗入り」「蓮の実餡」「バターココナッツ」など多種ありますが、中でも「伍仁大月餅」がスゴい。アーモンドやクルミ、カシューナッツなどナッツがぎっしりで、甘さ控えめのあんこと香ばしい生地とのバランスも素晴らしい。1個でものっすごい食べ応えなので、半分でもお腹いっぱいになります(笑)。

ほかにも「蛋黄酥」(卵の黄身入りパイ)、「杏仁酥」(アーモンドクッキー)、パイナップルケーキなど種類豊富で、1個100円台~というお手頃値段。通販で1個から購入できるのもありがたいですね。私は大量買いしますが……(だってどれもおいしいんだもん)。 

※ 価格はすべて税込です。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:猫田しげる、食べログマガジン編集部