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【THEご褒美スイーツ 〜知っておきたい通な店〜】
「食事と同じくらい、むしろそれ以上にデザートやスイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々おいしいスイーツを探し求めるスイーツガチ勢の皆さんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが「これを食べるために出かける価値あり!」と太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。
〈第2回〉「RIVA chocolatier」(リヴァ ショコラティエ)
「RIVA chocolatier」は、2022年7月23日にオープンした「LESS」の新店舗だ。「LESS」は、2019年9月にイタリア人シェフのガブリエレ・リヴァ氏と坂倉加奈子氏がタッグを組み、恵比寿にオープンした店。
リヴァ氏は、イタリア・ミラノにある実家のパティスリーで修業を積んだ後、22歳でロンドンのレストランのシェフパティシエに就任。ニューヨークではUSAカカオバリーアンバサダーを務めた経歴も持つ。
坂倉氏は、日本で製菓の基礎を学んだあと渡仏、パリのパティスリーやレストランでパティシエとして修業。ノルウェーのレストランではシェフパティシエに。帰国後、ヒルトン東京にて、初の女性シェフパティシエに就任。フレンチレストラン「NARISAWA」などで活躍した輝かしい経歴を持つ。
RIVA chocolatierは、恵比寿ガーデンプレイスにほど近い目黒三田通りに面したビルの1Fにある。ガラス張りのモダンな店内に入ると正面にショーケースがある。
ショーケース内の左側には5〜6種類の生菓子が並び、右側には、チョコレート系のスイーツが並ぶ。
【ご褒美スイーツ①】「チョコレートテリーヌ シリーズ」
私のイチオシは「チョコレートテリーヌ シリーズ」。チョコレートテリーヌは、以下の3種のフレーバーが用意されている。
・「PLAIN」=ストレートなビターチョコレートの風味。
・「NOCELLO」=イタリアのヘーゼルナッツとクルミのリキュールを加えたナッティーな風味。
・「BALSAMICO」=イタリア・モデナ産のバルサミコ酢とラズベリーの風味。
初めての人におすすめなのが、3種を1ピースずつ入れた「チョコレートテリーヌ3種お試しセット」。筒状の木箱に入っていて、ちょっとしたプレゼントにも最適だ。
ヴァローナ社のチョコレートをたっぷりと使ったこちらのテリーヌは、濃厚な味わいなのでナイフで小さく切って、舌の上でゆっくりと溶かしながら味わいたい。3種ともに甘さ控えめで穏やかな味わい。上質なカカオの味わいを堪能できる。
「プレーン」は、クセがなく、ゆったりと心が落ち着くような奥深い味わいだ。「ノチェロ」は、ヘーゼルナッツの旨味に、リキュールを使い、ほんのりとしたクルミの風味をまとわせた優しい味わい。「バルサミコ」は、熟成されたバルサミコの芳醇な酸味にフルーティーなラズベリーの甘酸っぱさを合わせた、華やかな味わい。
休日のディナーの後に、ゆったりと上質の赤ワインと合わせて楽しみたい、贅沢な大人のスイーツだ。
【ご褒美スイーツ②】「チョコレートとヘーゼルナッツのエクレア」
パティスリー系がお好みの人には「チョコレートとヘーゼルナッツのエクレア」がおすすめ。こちらは、カカオのシュー生地にチョコレートのサブレ生地をかぶせて焼成。
中には、アングレーズソースにドモーリ社のチョコレートを合わせたクリーム、ヘーゼルナッツのプラリネのソースが詰められている。上には、ホワイトチョコレートを合わせた生クリームを絞り、ローストしたヘーゼルナッツとカカオのクランブルをトッピング。
まろやかで旨味のある生クリーム、奥深い味わいのチョコレートクリーム、カカオ味の生地が重厚なハーモニーを奏でる中、ヘーゼルナッツのプラリネの塩味が利いた旨味が全体を引き締め、軽やかな後味に仕上げられている。
【ご褒美スイーツ③】「キャラメルガナッシュタルト」
最後に、こちらの看板商品も紹介しておきたい。「キャラメルガナッシュタルト」だ。
こちらは、シュクレ(タルト)生地に、ドモーリ社のベネズエラ産のチョコレートとキャラメルを合わせたガナッシュ(チョコレートクリーム)を詰め、上にジャンドゥーヤ(ローストしたヘーゼルナッツのペーストにチョコレートを加えたもの)を薄くカールしたものをふんわりとのせたタルト。
チョコレートとナッツの味わいをストレートかつシンプルに味わってほしいとの考え(※)から、食感のアクセントとしてよく加えられる「フィアンティーヌ(クレープ生地をごく薄くのばして焼き、細かく砕いたもので、サクサクとした食感)」、「クランブル(小麦粉、砂糖、バターなどを混ぜ合わせ、そぼろ状にしたもの)」といったものは、あえて入れていないという。
※ LESSという店名は、Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)、Less, but better(より少なく、しかしよりよく)という言葉にインスパイアされ名付けられたという。
こちらのタルトは、表面の格子模様から察するにメッシュのタルトリングを使って焼成を行っているのだろう。薄く敷き込まれた生地はサクサクに焼き上げられている。中のガナッシュは、酸味、渋味のバランスが良く、コクがあるナッティーな香味のチョコレートにキャラメルが加えられ、カカオの旨味と十分な甘さが感じられる。トッピングのジャンドゥーヤはまろやかな味わいで、全体を優しくまとめ上げる役割を果たしている。
こちらのお店では、これらのほかにも、「ジャスミンのガナッシュ」のマカロンなど魅力的な商品が多数。リヴァ氏、坂倉氏は、今後もアフタヌーンティーの提供など、さまざまなアイディアをお持ちのようで、今後もお二人の活動から目が離せない。
※価格はすべて税込