どこか脇役感のある「スープ」。メインになることは少なく、メニューに載っていても注目されないことが多いだろう。しかし、スープというものは、かなり手間暇かけて作られていることが多い。その店独自の味わいが反映されやすく、食材の旨みもギュッとつまっている。この連載では、名店のスープに焦点を当てていきたい。

【メインはスープ vol.2】味付けはみそだけ!みそソムリエによる手作りおみそ汁

渋谷駅と代官山駅の中間地点に建つビルの2階に、こぢんまりとした店を構える「come cafe & Osamu bar」。その名の通り、お米に合う料理を提供してくれるダイニングバーだ。数々の料理のポイントとなるのが、みそソムリエKeikoの指導によって生まれた手作りのみそと麹。滋味深い味わいが広がっていき、心も体もリラックスできる。

 

出典:スイーツハンターKさん

 

今回紹介するスープは、ランチタイムの人気メニュー「おさむさま定食」についているおみそ汁。

 

出典:sakura007さん

 

もちろん、おみそ汁にも手作りみそが使われていて、季節やオーナーの気まぐれで変化するメイン料理に合わせて、具材も変化していく。これを楽しみに訪れる人もいるのではないだろうか。

 

また、おみそ汁といえば、みそと出汁を合わせるのが一般的だが、ここの味付けはみそだけ。品質のよいみそや具材を使っていれば、十分に旨みが出るため、出汁はいらないそう。実際に味わってみても、確かに深みがあり、出汁が入っていないとは思えない。こういうところからも、素材を大事にしたやさしいお店であることがうかがえる。

 

出典:sakura007さん

 

メインの料理は丼ものが中心で、しっかりめの味のものが多いため、おみそ汁のやわらかい味わいと香りでホッと一息つけるバランスがいい。

 

18時以降のディナータイムも、具だくさんのおみそ汁は味わえる。ソムリエ厳選のお酒と一緒に楽しむのも乙だ。

 

 

出典:タンカ PIZZAさん

 

お店の味はなかなか家では再現できないものだが、こちらでは定期的に手作りみそワークショップを開催している。みそソムリエが作るみそと同じものが自分で作れたら、家で料理するのも楽しくなるだろう。

 

風が冷たくなってくる季節、やわらかな味わいのおみそ汁で、心も体も温まって。

文:有竹 亮介(verb)