こがしバターが決め手の牛フィレ肉のソテー

時間をかけて焼き上げられた牛フィレ肉。

メインは「牛フィレ肉のソテー~こがしバターソース~」を選択。ナイフを入れるとスッと切れる肉に驚く客も多い。肉を柔らかく焼くタイミングは、新田シェフが修行時代に習得したものだ。

ゆっくりと時間をかけて火を入れたヒレ肉は、こがしたバターをかけてテーブルへ。ヒレの旨味とバターの香りで頂くこの料理は、食通をも唸らせる逸品だ。

柔らかく仕上げるコツは、時間をかけて火を入れること。

イタリア全土のワインが揃っている

ワイン選びで困ったら、森さんに相談するといいだろう。

ワインはすべてイタリアのもの。常時50~70種類が用意されていて、ボトルはもちろんグラスワインも楽しめる。

最初にオーダーした冷前菜「長崎産 鰹のカルパッチョ」に合わせて森さんに選んでもらったのは、北イタリアの標高が高いところで造られた「Valle d’Aosta Petite Arvine」。このワインに使われているブドウは日中40度、夜は10度まで下がる寒暖差のある場所で育ったもの。酸味があって後味にハーブのトーンもある北イタリアの白ワインは、本日の鰹のカルパッチョと非常に相性が良い。

「Rinaldi LANGHE NEBBIOLO」はグラスワインでも楽しめる。

メインの「牛フィレ肉のソテー~こがしバターソース~」には、やはり赤ワインを合わせた。森さんおすすめの「Rinaldi LANGHE NEBBIOLO」は、ネッビオーロという品種のブドウで造る北イタリアのワイン。タンニンが強く、バターの油分を口の中で流してくれる。森さん曰く「北イタリアのこのワインは酸味と果実の味のバランスがとても良くて、牛フィレのソテーにおすすめです」。

今回いただいたワインはどちらもグラスでの提供が可能。ワインをあまり飲めない人も、グラスなら料理ごとにワインの種類をかえられるのでおすすめだ。

ゲストは「Filemone」を目指して訪れる

デート、友達との会食、接待、どんなシーンでも利用しやすい「Filemone」。

白を基調とした店内は、清潔感があって気持ちいい。更にブルーのナプキンや、薄いピンクのカーテンなど、さりげないところにアクセントとして色が使われ、落ち着いた雰囲気を醸し出している。

Filemone(フィレモネ)という店名は、ローマ神話で疲れた旅人を歓待した農夫の名前が由来だ。
同じ店で修行した新田さんと森さんは、その経験を活かして、訪れたゲストに居心地のいいスペースと、おいしい料理でもてなす。

「うちは最寄りのどの駅からも少し距離があるので、フラッと立ち寄るというよりは『Filemoneで食事をしよう』と思って来てくれるゲストがほとんどです。だから『おいしいイタリアンが食べたい』とか『雰囲気のいい店でデートを楽しみたい』と思ったときに『そうだFilemoneに行こう』と思ってもらえるような店づくりをしていきたいと思っています」と新田シェフと森さんは言う。

左:シェフの新田大介さん。右:サービス担当の森裕太さん。二人でタッグを組んで始めた「Filemone」。

そんな二人に会いたくて、ゲストは「Filemone」を目指してやってくる。
赤坂に足しげく通う客が増えそうだ。 

【本日のお会計】
■食事
・長崎産 鰹のカルパッチョ 1,800円
・ポルチーニ茸のクレープ 伊産黒トリュフ 1,200円(1ピース)
・竹崎カニと完熟トマトソースのトンナレッリ 2,400円
・牛フィレ肉のソテー~こがしバターソース~ 4,200円
・グラスワイン 1,500円×2
合計 12,600円

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。
※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:谷口素子(UP SPICE)
撮影:松村宇洋(UP SPICE)